社会情報学部情報デザイン専攻の松田ゼミでは、地域連携プロジェクト「ヒューマノイドロボットPepperによる地域児童の参加・コミュニケーション体験型イベント」の活動の一環として2016年11月15日に唐木田児童館で子供達を集めPepperの体験イベントを開催しました。

1. 唐木田児童館との連携イベント

近年の機械学習やAI(人工知能)の進展により、近い将来ますますロボットやAIが地域社会の日常生活に欠かせない身近な存在になっていくことが考えられます。本プロジェクトでは、多摩市立唐木田児童館と連携し、たくさんの児童にロボットとの共生のあり方を考える場を提供する体験型イベントを開催しました(11月15日)。唐木田児童館では、平成27年にも地域連携イベントとしてPepperによる「ようかい体操」を開催し大変好評でした。

今回も、児童館の三枝館長にアドバイスとご協力をいただきながらイベントの設定を進めてきました。児童館には、イベントのポスターと告知用の広報誌を作成していただき(図1)、事前の申し込み受付や参加者の把握などを行っていただきました。

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図1 児童館ポスター

イベントは準備段階からPepper 2台を設置し、自然な動作をしたり、音声・人物認識で人の方向を向くように設定しておいたので、Pepperの周りに子供たちが集まり、Pepperに「こっちを向いて!」や「ペッパー!」と話しかけたりするなど興味津々でした(図2)。最初のうちは子供たちがイベント中に集まってくれるか少し心配していましたが、学校を終えた子供たちが徐々に駆けつけてくれました。

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図2 イベント開始前の様子

2. ゼミ紹介・ロボット講演・Pepperクイズ大会

イベントでは最初に、松田ゼミの研究紹介や横浜国大の永田氏によるロボットについての講演を行いました(図3)。年少さんや低学年児童らにとっては、用語などが少し難しいところもあったかもしれませんが、みな熱心に聞いてくれました。

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図3 松田ゼミの研究紹介とロボットについての講演

その後、Pepperが中心となってクイズ大会を実施しました(図4)。今回もゼミ生11人が中心になって、児童らにロボットに対する親近感や興味を持ってもらい、多学年(年少~小6)の児童が楽しめる参加型のクイズ大会を企画しました。イベントの流れは、絵コンテやリハーサルなどを繰り返すことで確認し、できるだけ違和感がなくなるようにPepperのイベント用のプログラムを開発しました。

クイズの形式は、Pepperが音声で出題した後にジェスチャでカウントダウンし、児童らがその間に正解のエリアに移動、その後、Pepperが正解を発話するものです。移動時やPepperによる正解発表時には児童らは大変盛り上がっていました。

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図4 Pepperクイズ大会

クイズ大会の後は、質問タイムを設けました。子供たちは次々に手を挙げて、「ペッパーは歌を歌えるの?」、「ペッパーはどうやって動いているの?」といった質問をし、ロボットに対する興味の高さが伺えました(図5左)。最後に、子供たちに今回のイベントに関するアンケートを記入してもらいました(図5右)。アンケートを提出するときには、ゼミ生らが作成した「Pepper認定証カード」を渡しました。

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図5 質問タイムとアンケート

3. アンケートの結果

イベント後のアンケート結果より、小学1・2年生が59%を占め、88%がイベントを楽しみ、92%がまた来たいと答えていました(図6)。

グラフaグラフb

グラフcグラフd

図6 アンケート結果1

図7左に、全5問のクイズの正解数のグラフを示します。クイズは、低学年児童でも答えられるような内容(例えば「パンダのしっぽは黒いか白いか?」)を、ゼミ生らが相談して決めました。難易度のバランス的にはちょうど良かったのではないかと思います。

グラフgグラフh

図7 アンケート結果2

図7右は、Pepperが自宅にあるとどう思うかについてのアンケート結果です。大半の子供たちが「Pepperが自宅にあると楽しそう」と答え、「楽しくなさそう」と答えている児童は一人もいなかったことから、Pepperなどのロボットに対して親近感を持っているのではないかと考えられます。

4. 最後に

今回のようなイベントでは、自由奔放な児童らの対応や、その場の「空気を読んだ」指示出し、どのタイミングで次のアクションに移行するかなどが重要ですが、Pepperやその他のロボットAIにとっては現状では難しいため、今回はサポートのゼミ生らが行いました。 今後は、そのようなイベント構成要素をどれだけロボットに組み込んで自動化できるかが課題であると考えています。

ご協力頂いた唐木田児童館の館長の話によると、子供たちはイベントの次の日から早くも「ペッパーは次いつ来るの?」といった質問があったそうで、期待の高さと興味がうかがえます。次世代を担う地域児童にテクノロジーを自然な形で紹介し、興味を持った児童らが将来的に地域社会の活性化につなげてくれることを期待したいと思います。

●司会: 新保楓
●ビデオ、カメラ撮影係: 竹畑柚希・藤田夏海・藤川瑞生
●パネル提示係: 大滝美幸・藤吉綾乃
●児童の対応、誘導係: 伊藤有紀・今田歩実・大滝美幸・藤巻佳純・松下彩

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社会情報学部情報デザイン専攻の堤ゼミでは、ゼミ活動の一環として東京ビッグサイトで開催された東京国際プロジェクションマッピングアワードVol.1に出場。2016年12月17日に4,000人以上の来場者の前で、ノミネート作品「Starting over」を上映しました。当アワードは世界で通用する若手映像クリエイターの登竜門を作ることにより、将来のコンテンツ産業の中核となる人材の育成を実現すると同時に、プロジェクションマッピングというCG映像コンテンツ技術の高度化と普及を促進し、その取り組みを世界に発信することにより、日本発のコンテンツに対する興味・関心を高める機会を創出すること、また、東京オリンピックに向けて、日本のコンテンツ制作力を引き上げ、海外でのCOOL JAPANブランドの向上に貢献することを目的としています。

東京ビッグサイト会場写真 会場となった東京ビッグサイト会議棟側面壁

 

1.参加決定

2016年6月末、申し込み締め切り直前に当アワードに参加することをゼミ(3年)で決め、チーム名を「Cotton Candy」、担当教員を堤としました。7月に入って企画案、イメージビジュアル、絵コンテなどを作成しましたが、絵コンテ制作は初めての経験で苦労しました。それでもゼミ単位で目的に立ち向かうことの意義はしっかり感じていたようです。

 

2.作品制作に向けた学習

8月、夏休みに入ると第一次審査の結果発表前から、連日集中講義を行ってコンテンツ制作のための勉強を始めました。内容はプロジェクションマッピング、モジュロール、3DCG制作、人体アニメーション、幾何学パターン、だまし絵、錯視、フラクタルなどについてでした。堤ゼミでは3D-CGの授業を必修としていますが、本格的な3D-CGソフトの使用は後期からですので、授業に先んじて夏休みに一気にそのスキルを手中に収める必要があったのです。

 

3.第1次審査通過

8月10日、第一次審査発表の日、全員で集まって審査結果を待ちました。19時頃に事務局から第一次審査通過の知らせを受け、さらに頑張ろうと、チームの気持ちを一つにすることができました。

 

4.作品テーマと制作

審査発表の日以降、完パケ(最終作品)提出日である11月30日までゼミ生は各自の担当を全うすべく、時には休日や日曜日も返上で努力を続けました。今回は以下に示すように人間と建物との調和・秩序がテーマでした。

人間と建物との調和・秩序が埋もれつつあると感じたもじゅろう(Modulor)は地球に乗り込みます。しかし、一見無秩序に見える建物を象徴する咲き乱れる花たちの中で、自分と花にはフィボナッチ数列や黄金比など、根の部分では共有しているものがあることに気がつき、もじゅろうは楽しく優しい気持ちになって花と融和していきます。

今回の作品において、もじゅろうは、建物を設計する際に用いられてきた基準寸法であるモデュールを発想の原点とする、人間と建物との調和・秩序を守る生き物という設定です。

冒頭写真 作品の冒頭部分(以下、写真はいずれもアワード事務局による記録映像より:https://www.youtube.com/watch?v=w9UJb2zNCr8&t=46m40s

モデュールの中でもよく知られているのが、ル・コルビジェによってモデュールと黄金比、フィボナッチ数列を組み合わせて再構成されたModulor(モデュロール)です。世界文化遺産に登録が決まった国立西洋美術館にも、その窓枠や外壁パネルの寸法にモデュロールの寸法が採用されています。

さて、例えば東京の街並みは、俯瞰写真などをみると一見思い思い調和も考えずにそれぞれの建築がデザインされているように見えます。今回、これを自由に咲き乱れる花たちで象徴的に扱いましたが、いろいろ考えるうちに、現代建築も何らかの寸法システムを持っているはずで、実は花もフィボナッチ数列などの規則性を持っているのでモデュロールと無関係ではないことに気がつきました。

中盤写真 作品の中盤、集団行動など規律に基づくもじゅろうの動きと気ままな花が触れ合う

そこで、もじゅろうと花たち(つまり現代建築)とは相反するものではなく最後は融和するという形にしました。また、テーマが空間寸法を対象としているので、強調された透視図やだまし絵風のシーンを作成し、プロジェクションマッピングらしい立体感と空間表現も試みました。

毘沙門亀甲写真 東京ビッグサイト会議棟壁面の形状に合わせた立体図形表現(毘沙門亀甲)のアニメーションシーン

なお、作品はもじゅろうと現代建築の新たな旅立ちを示唆するものとして「Starting over」と名付けました。作品の最後はもじゅろうと花たちとの融和を表現しています。

終盤部分写真 作品の終盤、花と融和するもじゅろう

 

5.感想と今後

作品には印象に残るカラフルなシーンを中心に、メービウスの輪とか、ペンローズの三角形、コルビジェのモジュロール・トゥーレット修道院の一室、フラクタル図形(踊るもじゅろうの足下や育つ植物の柄に配置)、毘沙門亀甲など、ゼミで取り上げるような内容を組み込みました。当日、実習室のスクリーンやPCモニターでしか見ることがなかった作品が幅90mほどの大きな外壁に投影された時は、さすがに感動しました。

作業が次々に増えて余裕があまりなくなってきた9月上旬に敢行したゼミ合宿では、PCを持ち込んでそれまでの作業を振りかえり、今後の指針を決定するために夜遅くまで話し合ったことが思い出されます。このようにチームメンバー全員がそれぞれ責任を持って担当部分をよりよく仕上げるために努力した点は、十分に評価できます。このような努力は今後、卒業研究の中でも十分に生かしていくことができるでしょう。

チーム_Cotton_Candy写真 チーム「Cotton Candy」と指導教員

その一方で、作品上映後に審査委員の先生方から直接伺った講評からは、映像や作品構成の基本を十分に身につけていないことの問題点が浮き彫りになりました。今回の挑戦では、まだ学生の内側に職業としての登竜門的な発想はなかったので、作品への向き合い方が不十分だったとも感じています。

また、先にも書きましたように、3D-CGの学習を始めたばかりの段階だったので、モデルやアニメーションの制作では頭の中にイメージは浮かぶものの、やりたいことに対して技術が追いつかず悔しい思いもしたようです。さらに、メンバー間で報告・連絡・相談がうまくできなかった時には、作業に余計な時間がかかったり、やり直しが重なったり、特定のメンバーの負荷が大きくなってしまったりして辛い経験もしたようです。

それでも、なんとか一つの作品として仕上げることができたことは、達成感という高揚を伴って、今後、卒業研究の中でも、あるいはその後の人生の中でも十分に生かしていける自信になったと思います。7月から11月末まで、非常に長い時間を要する活動ではありましたが、チームで議論し、自分を振り返り、仲間を知る、得難い5か月間だったと思います。

(記: 2017.01.07 堤研究室)

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明治神宮外苑にて開催されているクリエイティブの祭典、東京デザインウィーク2016の「学校作品展」に藤村ゼミ、中野ゼミが出展しています。大妻女子大学からは初出展となります。

今回の学校作品展のテーマは「Pairs」です。

藤村ゼミの3年生による「かがみらくる」は、鏡を使って「対(つい)」を表現した巨大な万華鏡(カレイドスコープ)のメディアアートです。プログラミングで生み出された寄木をモチーフにした映像が、手の動きを認識するLeapmotionによって刻一刻と変化し、美しい模様を作り出します。

かがみらくる
http://web.fujimura.com/blog/archives/1025

 

中野ゼミの3年生による「はなちゃんの恋の部屋’s」は、センサと映像を使って「モノ」とそこに込められた「想い」のペアを表現しました。架空の少女マンガに登場する主人公の部屋には、いくつか大切なモノが設置されています。そのモノを見つけたり、触れたりすると、主人公の「想い」が映像となって壁面に映し出され、ストーリーが見えてくるという作品です。

はなちゃんの恋の部屋's
http://hanakoi.kidaishintaro.com/hanakoi/

 

展示会場はとても広く、企業展示やプロクリエイター展示、イベントやフードも充実しています。最先端のデザインに触れに、ぜひ、会場まで足を運んでみてください。

 

【開催期間】
前期:2016年10月26日 〜 10月31日
後期:2016年11月2日 〜 11月7日 ※11月1日は終日閉場
※11月7日はイベント中止となりました

【開場時間】
11:00〜21:00 ※最終日は20:00まで

【会場】
明治神宮外苑 絵画館前
〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町2-3

【入場チケット】
2,500円(一般当日券)
大学生 1,500円 高校生 1,000円 中学生500円(学生証提示)

【公式ホームページ】
http://tokyodesignweek.jp/

 

 

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