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2023年11月11日(土)に東京ビッグサイトで開催された「東京国際プロジェクションマッピングアワード Vol.8」において、社会情報学部情報デザイン専攻の学生9名(チーム名:三色団子)による作品「Imagine」が、ビッグサイト賞を受賞しました!

ビッグサイト賞では、最優秀賞、優秀賞、審査員特別賞などと共に来年1年間、東京ビッグサイトで作品を上映していただけるそうです。今年のテーマは「OPEN」で、全31作品が東京ビッグサイトの壁面を彩りました。

チーム・三色団子は、コンピュータを介した図的アプローチをテーマに、Graphic mindの発達を大切にしながらさまざまな取り組みを行っている情報デザイン専攻の堤研究室の3年ゼミ生で、本年6月26日に書類審査を通過してから今月の上映会に臨むまでの約4カ月間、授業後に実習室に集まっては企画段階から仕上げまで相互に議論しながら作品を作成してきました。

作品は、【日常を支配する「当たり前の価値観」が異形の者たちとの遭遇という未経験な状況と対峙する中でリセットされた主人公が、新たに芽生えた感情によって彼らを受容、共感を覚えるようになり、感応しあって、共に戻ってきたビッグサイトで大きな力となって空に解き放たれていく】という内容です。

自らのイメージを膨らませ、他者の意見も取り入れながら情景のアイディアを整理していく作業は、そしてそれらに具体的な形を与え、東京ビッグサイトの壁面というデザインされた形にはめ込んでいくという作業は、今回のテーマにも通じる、日常ではなかなか得られない体験だったのではないでしょうか。お疲れさまでした。(文責:堤)

 

●ビッグサイト賞受賞作品 『Imagine』

チーム名:三色団子(大妻女子大学)
https://pmaward.jp/vol-8screenings/imagine/

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●制作した学生の感想

5月からアワードに関する話し合いを始めて10月末に提出というスケジュールの中で、企画書の提出、ビデオコンテの提出、中間提出など期限に追われながらも限られた時間の中でより良いものを作ろうと奮闘しました。 アワードから指定のあったテーマ、自分たちで決めたコンセプト、技術力、そして時間。これらを両立し一本筋の通った作品にすることは容易ではなく、「楽しそう」や「おもしろい」が先行してしまって“作品を通して伝えたいこと”を見失ってしまうこともありました。しかし話し合いを重ねることで、面白そうな提案もテーマに沿った意見も取り入れ自分たちで納得できるような案を一つの企画案にまとめることができました。
4月に「初めまして」と出会った9人でも短期間で相反する意見を一つにまとめ、納得のいく作品を作ることができたという成功体験は私たちの人生において素晴らしい経験となりました。(Y.K.)

最初は皆緊張していましたし、ある程度経ってもやや話しづらい雰囲気がありましたが、誰かが話始めるとみんな意見を出しやすくなるので、積極的に自分が意見を言う大切さを知りました。制作では計画変更も往々にしてありますので、日毎にバックアップを保存しておくことがとても大切と知りました。(M.Y.)

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ペーパークラフト風モデルで異世界感を強調した

私は「蝶象」を担当しました。生き物を作る際に一番時間が掛かったのはボーンを動かすことでした。身体の作りや、骨や筋肉の構造など、動物について調べて作っても思った通りには動いてくれず、部位ごとに何度も作り直しました。その後も歩き方っや空の飛び方など、実際の動画を繰り返し観ながら作品に反映させることでよりリアルな動きになるように調整しました。作り直すたびに完成度が高くなり、作業へのモチベーションはどんどん上がっていきました。(S.R.)

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左:7月の段階の蝶象 右:9月の段階の象蝶

主に絵コンテと海の「シャチ孔雀」の制作を担当しました。企画案出しはかなり難航しました。コンセプトや感情の流れなど内容を詰めて具体的に仕上げていくことはとても大変で、繰返し顔を突き合わせて話し合いました。それでもあの頃の案が今回の作品「imagine」にしっかり収まったのは、本当にすごいと思います。ゼミ生の仲も深まりました。
シャチ孔雀の制作では、アニメーションの場面ごとに別モデルを用意しました。とくにやわらかさの表現が必要な羽に適切なボーンを入れるのが難しかったです。(S.K.)

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ボーン設定に苦労したシャチ孔雀

自分の担当部位「宇宙」のメンバーは3人でしたが、各自が各々の得意分野で作業できたのは良かったと思います。目の前のPC画面での映像だけでなく、実際に投影した時を想像して制作するのがとても難しかったです。映像の縁に枠を作って画面外に飛び出しているかのように見せたりすることが、プロジェクションマッピングらしくて気に入りました。この作業を通じて、グループ作品では迷惑をかけないように期限を守ったり、たくさん話し合いを重ねて方向性を同じにすることが大切だと感じました。 (I.M.)

グループでは、まず意見をまとめるのに工夫が要りました。各人の面白いアイディアも実現できるよう、基本軸は守ったまま軌道修正することも度々で、必然、そぎ落とさなければならない箇所も出てくるので取捨選択に気を遣いました。しかし、メンバーとの交流は楽しくて居心地の良いものでした。時間をかけた分だけ、達成感もあって充実した日々を過ごせたと思います。
作業では、「ウサギカエル」という異形の生き物を担当しました。頭がウサギで首から下はカエルという何とも奇妙な姿をしているので、愛嬌のある見た目っを目指してモデリングしました。(S.M.)

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左:ボーンを入れた状態 中:レンダリング結果 右:アニメーションの付与

グループでは、コミュニケーションがうまく取れずに違った解釈で進んでしまう事もあって難しいなと思いました。その中で、全員でしっかり話し合う時間を取ることがより大切であると学びました。
作業では異形の「猫へび」を作りました。実在しない生き物は、モデリングもアニメーションも難しかったです。しかしその都度、よく考えながら調整を進めました。(O.M.)

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左:猫へびの頭部のモデリング 中:仮マテリアル付与後 右:最終結果

途中経過の映像と完成した映像を見た時の心境が全く異なった自分に驚きました。始めは、一つ一つのオブジェクトは完成度が高くても、全体を通してみたときの効果音がシーンに適応していなかったり、個々のシーンが一貫性を持っていなかったりと課題点がある状況で、心を動かすものはあまり感じられませんでした。しかし、完成した映像を投影して見たときは、個々のシーンが手を繋いでいるようにして動き、奥行きもより感じられ、迫力が生まれ胸が高まる作品となりました。プロジェクションマッピングとは、投影する建造物と私たちの思いが重なったときに深い感動をもたらす表現方法だと感じました。(Y.Y.)

他のメンバーの頑張りに自分も引っ張られて「必ず成功させるために頑張ろう」という意識が芽生えました。全員の前向きな気持ちが、よりイメージに近い作品を創り上げたのだと思います。またソフトウエアに慣れることも重要ですが、それ以前に「長期的にこの技術を使用できるように様々な方法で習得していこう」という気概を持ち続けることが重要であることがわかりました。これからも、未知の技術に対し、この姿勢で取り組めるように頑張りたいです。(H.Y.)

なお、詳細な情報や過去の大妻女子大学からの参加作品は以下のページに記載されています。ぜひ、一緒にご覧ください。

 

〇東京国際プロジェクションマッピングアワード実行委員会
「東京国際プロジェクションマッピングアワードとは?」
https://pmaward.jp/news/projectionmapping8/

〇情報デザイン専攻公式ページ
「堤ゼミとプロジェクションマッピングアワード」
https://www.sis.otsuma.ac.jp/i-design/?p=3624

2023年11月7日

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1.ゼミ生が作品制作を通じて得たもの

 堤ゼミは、社会情報学部が設置された1992年入学の一期生からずーっと開講されてきたゼミナールで、コンピュータを介した図的アプローチを主題に、Graphic mindの発達を大切にしながらさまざまな取り組みを行ってきました。コンピュータグラフィックスやさまざまなデバイスを取り込んで、興味ある現象や教材、課題を解き、錯視やゲームにも挑戦してきました。

 2016年には、当時第1回コンテストが開催された東京国際プロジェクションマッピングアワードに3年ゼミ生が初参戦し、以後8年間第一次審査を通過して東京ビッグサイトでの上映・審査会に出場してきました。作品制作の要となるコンピュータグラフィックスの受講開始時期は参加タイミングに重なってしまいますが、初夏の企画提出段階(6月中旬)では、いろいろ調べ、考え、議論して企画案を練っていきます。その頃のゼミ生はそれこそ一人一人が個々に意欲的な分、まとまりがつきにくく教員もハラハラしながら見守っていますが、学生はわいわいがやがやマインドマップを作成しながら、やがて仲間の考えを理解するようになります。

 3DCGなどの表現技術の力はまだ低くても、今後、職場や仲間内においても大事なアイデア出しや発想力を社会とのかかわりを持つアワード参加の場で訓練して高めていく様子は、ゼミの行為としても効果的だといつも感じています。

 第一次審査通過後は、制作に向けて個人個人のスケジュール調整が始まります。3年生では専門科目の授業がほとんどになるため、なかなか大学での制作時間が取れませんが、私の指導の肝は、「何を教えるか」ではなく、「できる限り顔を突き合わせて話し合わせる」こと。そこで、夏休み後半から10月にもなると毎晩22時(大学のコンピューターが自動的にシャットダウンされる)まで実習室で共同作業。いわゆる放課後の作業が連日続くわけですが、それでも提出を終えて2,3日も経つと、ゼミ生曰く『なんだか、あの時間が懐かしい気がする!』

 そして、毎年、学生の3DCGスキルは期間中に格段に進歩しており、ちょっと助言をしただけで、数時間すると『作り直しました。』。しかも意図を十分に組んでくれています。いつも繰り返しと実践が大事だと感じる瞬間です。

 

2.過去(2016年から2021年)の参加作品とその概要

vol1Vol.1参加作品:「Starting over」

 人体に由来しない尺度によって、人間と建物との調和と秩序が埋もれつつある世界を危惧した“もじゅろう”(モデュロールに由来)が地球に乗り込むが・・・。

 

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Vol.2参加作品:「Come on -四季の世界-」

 四季ごとの情景の変化や日常生活の潤いを日本独特の紋章、『家紋』のデザインを通して表現しました。

 

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Vol.3参加作品:「祭・踊・祈」:大会テーマ【JAPAN】

 祭りの中で行われる“踊り”や“祈り”を東京ビッグサイトの壁面に彩ることで、“踊り”が生み出す生命力に満ちた躍動感や一体感、“祈り”の表現として用いられる光の温かさや幻想的な景色を表現しました。

 

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Vol.4参加作品:「ある時はしなやかに、ある時は力強く」:大会テーマ【
調和/スポーツ

 火焔土器は「燃え上がる炎」を象っています。その見た目は力強さの造形美・燃え上がるスポーツ選手の闘志そのもの。日本古来からの技法である墨絵でダイナミックなストロークとアスリートのフォルム、ダイナミックで俊敏な動きや、しなやかで美しい動きを描きました。

 

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Vol.5参加作品:「共栄共存」:大会テーマ【
CONNECT with

一見、不自由にも見える生きものたちが、逆に、今の人間では失われてしまった能力を発揮して繋がりあい、人間が壊してしまった環境に一度は自らも破壊されながら再生していく様を、闇と光の対比によって表現しています。

 

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Vol.6参加作品:「Re:Earth」:大会テーマ【
新しい時代/New Era

私たちは、生物の生態系や自然環境を破壊しつつあります。この現状に目を向けて、手遅れにならないうちにケアしなければならない時代に来ています。作品の中では、これまでの人間の行動を表しつつ、受け身の態度を捨ててロボット技術やIOTを駆使して能動的に取り組む姿を表現しました。

 

3.2022年Vol.7参加作品の概要とゼミ生の感想

  昨年11月19日(土)に東京ビッグサイトで行われた「プロジェクションマッピングアワードVol.7」では一昨年に引き続き同アワードに唯一の女子大学チームとして出場しました。大会テーマである「Enjoy!!!」を受けて、女子大生ならではの可愛さに基づいた「Enjoy!!!」を表現することを目ざして、約半年間制作を続けました。ビッグサイトの特徴でもある逆三角形の壁面だからこその演出や、奥行き感を出すことを特に意識しました。この作品を見てくださった人が、身の回りにあるちょっとした「Enjoy!!!」に気づくきっかけとなったら嬉しいです。当大会では全国から勝ち抜いた14チームの作品が投影されました。3年ぶりの有観客+オンライン配信での実施となったVol.7ですが、現地には7,497人が来場、オンラインではのべ303,936人が視聴したそうです。(代表者)

 

 

  • 作品概要

 

Vol.7参加作品:「POPPING GIRL」:大会テーマ【ENJOY!!!

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図 Vol.7参加作品:「POPPING GIRL」のイメージ・ビジュアル

 

私たちは、テーマの「ENJOY!!!」というワードを目にしたとき、“弾ける感覚” が漠然と頭に浮かびました。その感覚は、同時に“かわいい” ものでもあり、それは 21年間生きてきた中で目にしたもの、体験したもので表現できることに気がつきました。

この作品を通して、これまでとこれからの人生の弾けるような輝きと彩りと、避けては通れない壁という少しのスパイスを詰め込んだ最大限の「ENJOY!!!」を。幼いころに夢見たこと、輝いた青春、挫けそうなときに心のよりどころになってくれるもの、そして、これからの未来、そんな「ENJOY!!!」を私たちなりの表現で伝えていきたいと思います。

 

 

  • Vol.7アワードに参加したゼミ生(2022年度、3年ゼミ生)の感想

 

仲間と切磋琢磨してプロジェクションマッピング作品を作り上げるというとても貴重な体験ができ、コロナ禍でなかなか通学することが出来なかった大学生活で、最高の思い出を作ることが出来ました。(H.S.)

CGの講義で学ぶことに加えて常に自分達で調べて試行錯誤を繰り返すことで作品として形にしていきました。コロナ禍と共に始まった大学生活でしたが、堤先生を含めゼミのメンバーと切磋琢磨して取り組んだ半年間は忘れることのない貴重な経験です。(M.S.)

全員が右も左もわからず不安もありましたが、逆に未経験だからこそ、すべてが学びになったり、壁にぶつかったときも堤先生のご指導のもとチームで一丸となって打破したり、自分たちの強みを生かして今年のテーマである「Enjoy!!!」を体感しながら制作することができました。(H.A.)

今回の大会は、学生生活の中で1番の思い出となりました。制作過程は初めての経験ばかりで苦戦することも多々ありましたが、完成した作品を見たときにとても感動したことが印象に残っています。(M.I.)

プロジェクションマッピングに参加するにあたって、今まで触ったことのないソフトや機材に触れることができてとても勉強になりました。賞はとることができなかったけれど、貴重な経験ができたと思います。(U.I.)

チームで1つのことに取り組んだ経験はあまりありませんでしたが、同じ目標に向かって頑張る仲間がいることで熱意に感化されることもあり、1人でやるよりも何倍も達成感がありました。 (M.M.)

 制作時は難しい作業が多く大変だったけど、同じゼミのメンバーと協力しながら考えて取り組むのは楽しく、充実感がありました。投影された作品を見た時は色や動きがとてもきれいに映っており、感動しました。(S.H.)

 プロジェクションマッピングの映像制作は、3DCGや動画編集など初めて挑戦することがたくさんあったためハプニングなどが度々起きましたが、チームのメンバーやリーダーなどの助けにより無事完成することができました。貴重な体験ができてよかったです。(K.M.)

 プロジェクションマッピングを制作するという初めての挑戦でありながらコンテストに出場させていただき、大変なことも多くありましたが、みんなで楽しく制作できたと思っています。とても貴重な経験となり、大学生活の大切な思い出の一つとなりました。(E.S.)

 CGを用いた映像制作を行うのは初めてでしたが、ゼミのメンバーたちと試行錯誤しながら作業を行い、とても良い作品を作ることができました。コロナ渦でなかなか大学での思い出を作ることができなかったため、今回のアワードが大学生活の中で1番の思い出になりました。(R.O.)

 

 

  • 大会当日の記録写真

 


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(会場正面写真:© 東京国際プロジェクションマッピングアワード実行委員会)

公式サイト:https://pmaward.jp/

 

4. Vol.8アワード(2023年)へ

 11月に東京ビッグサイトで東京国際プロジェクションマッピングアワード Vol.8が開催されます。与えられたテーマは「open」。今年も3年ゼミ生が書類審査を通過しており、猛暑もいとわず大学に集合して作品制作を行ってすでに提出しました。

参加決定直後には、昨年アワードを体験した現4年ゼミ生3名が3年生のゼミ時間に経験談と助言を伝えるなど、活発なゼミ内交流もできました。今回の作品“Imagine”は、日常を支配する「当たり前の価値観」が、未経験な状況と対峙する中でリセットされ、新たに芽生えた感情によって異形の者共にも徐々に受容と共感を示し、最後には己の内面まで解き放たれていくという物語です。

11月11日にはVol.8上映会が開催予定で、全員で楽しみにしています。

 

大妻女子大学では、リーダーズ・キャンプという学生のリーダーシップ能力の向上と自主性を養うことを目的としたプログラムがあります。
https://www.otsuma.ac.jp/campuslife/activities/camp/
今年度のリーダーズ・キャンプに参加した学生さんに、詳細や感想などを書いていただきましたので、掲載させていただきます。今後参加しようと思っている学生の参考になれば幸いです。

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 情報デザイン専攻の学生です。9月14日に千代田キャンパスで行われたリーダーズ・キャンプに参加しました。
 リーダーズ・キャンプは、リーダーシップ能力の向上と自主性を養うことを目的とし、大妻女子大学で年に1度実施している35年以上続くプログラムです。異なる学部学科の大妻生が千代田・多摩キャンパスの垣根を越えて、集います。
 今回は、「議論を通して、合意形成に必要なファシリテーションスキルを身につける」をテーマに、6名の講師の方をお招きし、研修を行いました。限られた時間内で円滑な議論を進める上で必要となる、場におけるデザインやコミュニケーション、合意形成の手法に関するファシリテーションスキルを学びました。多くの学生が初対面のため、初めはお互いに緊張した状態でしたが、次第に緊張も解れて積極的にコミュニケーションを取りながら、議論を進めていました。研修を通して、ファシリテーションスキルと新たな考え方や取り組み方について実践的に理解することができました。また、アイスブレイクからも、普段話すことが少ない他学部他学年の学生と話が弾み、充実した時間を過ごすことができました。
 今回の経験を今後の活動に活かし、様々なことに取り組んでいきたいと思います。

12月14日、京セラコミュニケーションステム株式会社(KCCS)主催の「Sigfoxを使ったIoTアイデアコンテスト」の本選において社会情報学部情報デザイン専攻3年の山川祐美 さん(松田ゼミ)がプロトタイプ部門で「優秀賞(副賞10万円)」と「オーディエンス賞」の2賞を受賞しました。オーディエンス賞は会場で発表とデモを見た人が最もよいプレゼンテーションを選ぶ賞です。発表スライドはこここです。
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このコンテストは、KCCSが提供するIoTネットワーク「Sigfox」を活用した、生活を楽しく、便利で、快適にするアイデアを学生から募集したもので、Sigfoxの活用アイデアを競う「アイデア部門」と、プロトタイプを開発して本選でデモンストレーションを披露する「プロトタイプ部門」の2部門から成ります。各部門、最優秀賞1件、優秀賞2件です。
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本選は、53件の応募からアイデア部門8件、プロトタイプ部門6件がファイナリストとして選ばれ、KCCSの新宿オフィスで発表を行いました。今回、受賞したテーマは、Sigfoxで離れた家族同士を緩やかにつなげるというもので、プレゼンの内容に加え、その場で会場と友人の家をビデオ通話でつないだリアルタイムデモが高く評価されました。プロトタイプは、PythonとArduinoで開発しました。またここで得た技術的な知見をQiitaにも投稿しました。

<松田ゼミ-21 前へ>

社会情報学部情報デザイン専攻の松田ゼミではヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)の研究を行っています。HCIとは、人の心理的身体的特性、コンピュータ技術、社会環境などの関係を複合的に扱い、人がコンピュータをよりよく利用するためにはどのようなデザインが望ましいかを研究する分野です。

(1)「Sigfoxを使ったIoTアイデアコンテスト」のファイナリストに選出

松田ゼミ3年の 山川祐美さんが、京セラコミュニケーションシステム株式会社の主催する、「Sigfoxを使ったIoTアイデアコンテスト」(優勝賞金50万円)応募し、プロトタイプ作成部部門で書類審査を通過し、ファイナリストに選ばれ、本選への出場が決定しました。本コンテストは、IoTネットワーク「Sigfox」を活用した、生活を「楽しく」「便利で」「快適に」するアイデアを募集するコンテストです。本選は12月に行われ、そこでは実際にSigfoxなどを用いて、提出したアイデアをソフトウエアで実現しデモ、発表します。昨年度の同コンテストでは70の応募があり、ファイナリストは10名でした。現在、12月の本選に向けて、デモ開発のためにSigfoxなどのIoTのプログラミングを学んでいます

(2)「オージス総研ソフトウェアコンテスト」に4件(6名)が1次審査通過

オージス総研が主催するソフトウェアコンテスト「焦らないソフトウェアコンテスト」(優勝賞金50万円)の第1次審査に松田ゼミ3年の、栗山真優子、宮ひかる、石井柚歩、山口菜友、矢吹真菜、山川祐美さんの6名が通りました。本コンテストは「焦らないソフトウエア」に関連するソフトウェア(ITシステム)のユニークで革新的なアイデアを募集するコンテストです。次に2次審査があり、11月に本選になります。現在、6名は2次審査に向けて、1次審査に提出したアイデアをブラッシュアップしています。

いずれも、ゼミ生が自分で考え応募したものです。今後が期待されます。

 

報告者: 山下愛加(松田ゼミ 3年)

公共交通オープンデータ協議会が主催する「東京公共交通オープンデータチャレンジ」に応募し、東京地下鉄特別賞を受賞したので報告します。

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  1. 応募のきっかけ
    今回のコンテストの応募は、ゼミを通して、松田先生からこのコンテストを教えて頂いたことがきっかけです。コンテストを知ってから、公共交通オープンデータ協議会が、「東京」の公共交通を誰もがスムーズに乗りこなせるようにすることを目指し、公共交通関連データのオープン化を進めていることを知りました。私は、企画することに興味がありましたが、何より社会に出ると、公共交通オープンデータ協議会のように「誰かのために何かを考えること」はとても大切なことでやりがいも感じられると思ったので、応募することにしました。
  1. コンテストの内容と開催概要
    東京公共交通オープンデータチャレンジは、首都圏の様々な公共交通機関のデータを公開し、「東京」を応援するアプリケーションやアイデアの募集するコンテストでした。アプリケーション部門とアイデア部門がありましたが、私は、公共交通オープンデータを活用した新しいアプリケーション、サービス、ビジネス等のアイデアを募集する「アイデア部門」に応募しました。主催: 公共交通オープンデータ協議会
    共催: INIAD cHUB(東洋大学情報連携学部 学術実業連携機構)、東京大学大学院情報学環ユビキタス情報社会基盤研究センター、CPaaS.ioプロジェクト
    特別協力: 東京地下鉄株式会社、東京都交通局、東日本旅客鉄道株式会社
    協力: 小田急電鉄株式会社/京王電鉄株式会社/京成電鉄株式会社/京浜急行電鉄株式会社/ 西武鉄道株式会社/東京急行電鉄株式会社/東京臨海高速鉄道株式会社/ 東武鉄道株式会社/株式会社ゆりかもめ/小田急バス株式会社/関東バス株式会社/ 京王電鉄バス株式会社/ジェイアールバス関東株式会社/西武バス株式会社/ 東急バス株式会社/西東京バス株式会社/全日本空輸株式会社/ 東京国際空港ターミナル株式会社/成田国際空港株式会社
    オープンデータ・パートナー 一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構(VLED)、国土地理院、気象庁、文化庁、公益社団法人 全国公立文化施設協会
    後援: 内閣官房IT総合戦略本部、総務省、国土交通省、東京都、気象ビジネス推進コンソーシアム
  1. 応募内容

・応募タイトル:「各駅の魅力を知ることが出来る電車内窓ビジョン広告」

・応募作品の説明: 現在、電車は日本を代表する交通機関の一つです。多くの人が利用する交通機関だからこそ電車は非常に効果の高い広告媒体ですが、現在はポスターなどの静的広告が多く、動きによって宣伝効果を高める動的広告は数が少ないのが現状です(図1-1)。また、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、世界中から色々な国籍、年齢、職業、身体特性を持つ方が、東京を訪れるために電車を利用します。そこで、「東京の駅の魅力を知ってもらうこと」を目的に、電車の窓を使った「窓ビジョン広告」を提案しました。

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1-1 現在の電車

「窓ビジョン広告」は、図1-2のように電車の走行中に車両の窓全体に、次の駅の人気観光スポット(渋谷のスクランブル交差点など)が写真で前から後ろへ流れるように映し出されます。


1-2 窓ビジョン広告(スクランブル交差点)

写真はInstagram、Twitterなどで募集し、日替わりで投影します。また、通学・通勤者が多い朝の限られた時間帯では、図1-3のようにお店の当日限定クーポンを窓に流し、そのクーポンを写真に撮ってお店で見せることで割引がされます。

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1-3 窓ビジョン広告(お店のクーポン)

本提案により、大画面での投影によって大きなインパクトを与えられるだけでなく(図1-4)、観光や通勤・通学に楽しさも加えられると思います。また、『世界一複雑とも言われる「東京」の公共交通を誰もがスムーズに乗りこなせるようにすること』の手助けをすることが可能になると思います。

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1-4 吊革に捕まった時の目線から見た写真の大きさ

コンテストの経緯は以下の通りです。
2017/12/27 企画することに興味があると、ゼミ面談で松田先生にお話しました。
2018/1~3  松田先生にコンテストを教えてもらい、アイデアを考え始め、アイデアの内容について相談にのってもらいました。
3/13  コンテストへ応募しました。
4/23  メールで入賞結果をいただきました。
5/15  表彰式とレセプションパーティーに出席しました。

  1. 「窓ビジョン広告」に込めた思い
    今回提案した「電車内窓ビジョン広告」は、自分の日々の生活から考えたものです。応募するにあたってアイデアを考えていたある日、私が通学のために利用した電車の中で、電車内は多くの人が乗っていて、色々な人が同じ場所で、それぞれの気分で過ごす特別な空間だと思いました。幸せな気分の人はより楽しく、たとえ辛い気持ちであっても、電車に乗って幸せな気分になれる素敵な広告があるといいなと思い、窓ビジョン広告の考えに至りました。次に降りようとする駅がある時、目的とする駅の魅力ある写真が窓を流れる広告は、きっと誰もを幸せな気分に出来るのではと思います。また、本提案により2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、世界中から多種多様な国籍、年齢、職業、身体特性の方が、東京を訪れるために、多くの人が幸せな気分になれるのではないかと思います。これらの私の思いが伝わってくるような広告として提案が出来ていたらとても嬉しく思います。
  1. 最後に
    今回のコンテストは、私以外の入賞した方々の作品の驚くようなアイデアにとても刺激を受けました。また自分以外の考えを知ることは、とても勉強になりました。途中、自分に自信が持てず不安に思ったこともありましたが、松田先生をはじめとする応援し支えてくださった方々のおかげで、まだまだな私でもここまで進むことが出来ました。これからも様々なことに挑戦し、諦めず頑張っていこうと思います。本当にありがとうございました。

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上映に先立ち制作意図などを説明する学生たち

 

2017年12月16日(土)に東京ビッグサイトで行われた「有明・冬フェス2017 東京国際プロジェクションマッピングアワードvol.2」。昨年に引き続き堤ゼミではゼミ活動の一環として3年生11人のチーム「アントルメ」が作品を応募。第1次選考(予選)を通過して、同アワードに唯一の女子大学チームとして出場しました。このアワードには全11チームが参加し、6,300人を超す来場者を得て大いに盛り上がりました!

「Come on ―四季の世界―」と題した作品は、季節感に富む家紋のデザインを日本の四季の情景に溶け込ませるというコンセプトで、休日返上でおよそ4カ月間かけて制作しました。日本の家紋には草花や器物などのモノ、そして生活や自然に関係があるコトなどが図案化されていて、形状や配置に関していくつかの共通特徴があります。また、ときに立体的であったりだまし絵のようであったりもします。この古のデザイナーたちが家紋にあらわした意図をくみつつ、変化に富んだ日本の四季の情景を表現できたらと考えました。色や動きでエンターテイメント性を持たせ、見ている人に分かりやすい作品を目指しました。

授業で学んできた3DCGや映像編集などのスキルを駆使しましたが、最終映像の計算に、時には実習室のPC72台を一気に使って何時間も計算することもありました。

シーンをチームで議論する
シーンをチームで議論する

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実習室のPCすべてを使って最終映像の計算

 

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①家紋の砂時計が動き始める

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②アイソメ的だまし絵と家紋

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③はじける和柄の家紋

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④伸び始める蔦(春への序章)

春s
⑤春の息吹

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⑥梅とウグイス

夏1s
⑦初夏の光のフレア

夏2s
⑧夕暮れのまわり燈篭と花火

秋1_2s
⑨散りゆく紅葉

秋2s
⑩月とウサギとススキ

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⑪降りしきる雪

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⑫フィナーレ

 

上映後の懇親会で、作品の講評を審査員の方がたに伺いました。皆さんに家紋と四季という企画テーマは良かったと言っていただけました。ただ、作品に軸あるいはストーリーがなかった、盛り上げに欠けたという意見もいただきました。学生作品では、もともと技術は期待されていなく、企画力やアイデアや表現力が大切であるとも伺いました。今回も制作前にアイデアを練る時間が少なかったことは確かで、また、デザイン力なども含め学ばなければならないことは多々あると実感しました。

なお、TBSの情報番組からは事前および当日取材を受け、12月17日に放送されたTBSテレビの情報番組「『日曜Nスタ』Sunトピ」の中で、“季節感と家紋をテーマに、これをあわせる仕掛けが随所に見られた作品”として取り上げていただきました。

インタビューs
当日取材を受けるゼミ生たち

 

ともあれ、経験したからこそ得られた様々な気づきや教えを今後に生かすべく卒業研究に向かってほしいものです。長期間にわたってご苦労様でした。

最後に参加した学生の感想を記します。

パソコンの画面で動画を観るのと東京ビッグサイトの大きな壁に投影された動画を観るのとでは見え方が大きく異なる、ということを自分達で制作した動画を通じて知ることができてよかったです。(N.N.)

知識も技術もほぼゼロからのスタートで不安もありましたがメンバー達と制作している時間はそれ以上に楽しいものでした。当日、投影された自分達の作品を見て心から参加してよかったと思える良い経験になりました。(M.I.)

日々、より良い作品になっていくのを肌で感じ、お互い意見を言いながらも満足のいくものができました。なによりもチームのみんなと協力し、本気で取り組めたことは、大学生活の中で良い経験となりました。(A.M.)

今回、参加して感じたことは、チームの大切さでした。このプロジェクトには多くの技術が必要とされているのにもかかわらず最後まで乗り切ることができたのは、一重に役割を分担して協力したチームのおかげでした。(M.I.)

私にとって今回の出場は大きな挑戦でした。最初は何も分からず苦労も多々ありましたが、チームで一つの作品を作り上げる楽しさを知りました。この経験を今後就職活動や社会人生活に活かしていけたらと思います。(A.K.)

夏頃から一生懸命作ってきた作品が東京ビッグサイトという大きな建物に投影されたのが単純にとても嬉しかった。何度も何度も繰り返し見てきたはずの映像がその日はとても綺麗でかっこよく見えた。(N.T.)

去年の夏ごろからゼミのみんなで力を合わせて作ったプロジェクションマッピングが、東京ビックサイトに映し出された時は、本当に感動しました。大変なこともあるけれどやってよかったと思いました。(S.T.)

何もわからない状態で始まった制作でしたが、お互いに支え合いながら全員で一つのものを作るという大変ながらやりがいのある作業でした。ビッグサイトに映し出される自分たちの作品を見たときはとても感動しました。(H.M.)

プロジェクションマッピングの作成にあたって、知識もあまりないまま始めましたが周りの助けを借りながら作り上げることができました。作り上げた瞬間の達成感はもちろん、上映会で投影された時の感動は、言葉に表せないほどのもので、みんなで一つのものを作り上げるということは、私の中で大きな経験となりました。(M.N.)

TPMAは堤ゼミに入る前から参加したくて、参加すると決まったときはとても嬉しったです。実際に取り掛かってみるととても大変でしたが、東京ビックサイトの壁面に投影されたときに得た達成感は計り知れなかったです。(M.S.)

様々な苦労もありましたが、終わった後は今までにないほどの達成感を感じました。めったにできない体験ができたので参加できてよかったと思います。(Y.S.)

集合写真s
チーム「アントルメ」

 

詳細は大学のお知らせサイトをご覧ください。
〇大妻女子大学・お知らせ―2017年12月21日「家紋で日本の四季を表現したプロジェクションマッピングが投映 社情・堤ゼミ」
http://www.otsuma.ac.jp/news/2017/20171221161937
〇TBS web『日曜Nスタ』Sunトピ・バックナンバー
http://www.tbs.co.jp/tenki/suntopi20171217.html
〇電通報
https://dentsu-ho.com/articles/5719

<松田ゼミ-14 前へ>

社会情報学部情報デザイン専攻の松田ゼミでは、地域連携プロジェクト「ヒューマノイドロボットPepperによる地域児童の参加・コミュニケーション体験型イベント」の活動の一環として2016年11月15日に唐木田児童館で子供達を集めPepperの体験イベントを開催しました。

1. 唐木田児童館との連携イベント

近年の機械学習やAI(人工知能)の進展により、近い将来ますますロボットやAIが地域社会の日常生活に欠かせない身近な存在になっていくことが考えられます。本プロジェクトでは、多摩市立唐木田児童館と連携し、たくさんの児童にロボットとの共生のあり方を考える場を提供する体験型イベントを開催しました(11月15日)。唐木田児童館では、平成27年にも地域連携イベントとしてPepperによる「ようかい体操」を開催し大変好評でした。

今回も、児童館の三枝館長にアドバイスとご協力をいただきながらイベントの設定を進めてきました。児童館には、イベントのポスターと告知用の広報誌を作成していただき(図1)、事前の申し込み受付や参加者の把握などを行っていただきました。

パンフレットs
図1 児童館ポスター

イベントは準備段階からPepper 2台を設置し、自然な動作をしたり、音声・人物認識で人の方向を向くように設定しておいたので、Pepperの周りに子供たちが集まり、Pepperに「こっちを向いて!」や「ペッパー!」と話しかけたりするなど興味津々でした(図2)。最初のうちは子供たちがイベント中に集まってくれるか少し心配していましたが、学校を終えた子供たちが徐々に駆けつけてくれました。

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図2 イベント開始前の様子

2. ゼミ紹介・ロボット講演・Pepperクイズ大会

イベントでは最初に、松田ゼミの研究紹介や横浜国大の永田氏によるロボットについての講演を行いました(図3)。年少さんや低学年児童らにとっては、用語などが少し難しいところもあったかもしれませんが、みな熱心に聞いてくれました。

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図3 松田ゼミの研究紹介とロボットについての講演

その後、Pepperが中心となってクイズ大会を実施しました(図4)。今回もゼミ生11人が中心になって、児童らにロボットに対する親近感や興味を持ってもらい、多学年(年少~小6)の児童が楽しめる参加型のクイズ大会を企画しました。イベントの流れは、絵コンテやリハーサルなどを繰り返すことで確認し、できるだけ違和感がなくなるようにPepperのイベント用のプログラムを開発しました。

クイズの形式は、Pepperが音声で出題した後にジェスチャでカウントダウンし、児童らがその間に正解のエリアに移動、その後、Pepperが正解を発話するものです。移動時やPepperによる正解発表時には児童らは大変盛り上がっていました。

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図4 Pepperクイズ大会

クイズ大会の後は、質問タイムを設けました。子供たちは次々に手を挙げて、「ペッパーは歌を歌えるの?」、「ペッパーはどうやって動いているの?」といった質問をし、ロボットに対する興味の高さが伺えました(図5左)。最後に、子供たちに今回のイベントに関するアンケートを記入してもらいました(図5右)。アンケートを提出するときには、ゼミ生らが作成した「Pepper認定証カード」を渡しました。

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図5 質問タイムとアンケート

3. アンケートの結果

イベント後のアンケート結果より、小学1・2年生が59%を占め、88%がイベントを楽しみ、92%がまた来たいと答えていました(図6)。

グラフaグラフb

グラフcグラフd

図6 アンケート結果1

図7左に、全5問のクイズの正解数のグラフを示します。クイズは、低学年児童でも答えられるような内容(例えば「パンダのしっぽは黒いか白いか?」)を、ゼミ生らが相談して決めました。難易度のバランス的にはちょうど良かったのではないかと思います。

グラフgグラフh

図7 アンケート結果2

図7右は、Pepperが自宅にあるとどう思うかについてのアンケート結果です。大半の子供たちが「Pepperが自宅にあると楽しそう」と答え、「楽しくなさそう」と答えている児童は一人もいなかったことから、Pepperなどのロボットに対して親近感を持っているのではないかと考えられます。

4. 最後に

今回のようなイベントでは、自由奔放な児童らの対応や、その場の「空気を読んだ」指示出し、どのタイミングで次のアクションに移行するかなどが重要ですが、Pepperやその他のロボットAIにとっては現状では難しいため、今回はサポートのゼミ生らが行いました。 今後は、そのようなイベント構成要素をどれだけロボットに組み込んで自動化できるかが課題であると考えています。

ご協力頂いた唐木田児童館の館長の話によると、子供たちはイベントの次の日から早くも「ペッパーは次いつ来るの?」といった質問があったそうで、期待の高さと興味がうかがえます。次世代を担う地域児童にテクノロジーを自然な形で紹介し、興味を持った児童らが将来的に地域社会の活性化につなげてくれることを期待したいと思います。

●司会: 新保楓
●ビデオ、カメラ撮影係: 竹畑柚希・藤田夏海・藤川瑞生
●パネル提示係: 大滝美幸・藤吉綾乃
●児童の対応、誘導係: 伊藤有紀・今田歩実・大滝美幸・藤巻佳純・松下彩

社会情報学部情報デザイン専攻の堤ゼミでは、ゼミ活動の一環として東京ビッグサイトで開催された東京国際プロジェクションマッピングアワードVol.1に出場。2016年12月17日に4,000人以上の来場者の前で、ノミネート作品「Starting over」を上映しました。当アワードは世界で通用する若手映像クリエイターの登竜門を作ることにより、将来のコンテンツ産業の中核となる人材の育成を実現すると同時に、プロジェクションマッピングというCG映像コンテンツ技術の高度化と普及を促進し、その取り組みを世界に発信することにより、日本発のコンテンツに対する興味・関心を高める機会を創出すること、また、東京オリンピックに向けて、日本のコンテンツ制作力を引き上げ、海外でのCOOL JAPANブランドの向上に貢献することを目的としています。

東京ビッグサイト会場写真 会場となった東京ビッグサイト会議棟側面壁

 

1.参加決定

2016年6月末、申し込み締め切り直前に当アワードに参加することをゼミ(3年)で決め、チーム名を「Cotton Candy」、担当教員を堤としました。7月に入って企画案、イメージビジュアル、絵コンテなどを作成しましたが、絵コンテ制作は初めての経験で苦労しました。それでもゼミ単位で目的に立ち向かうことの意義はしっかり感じていたようです。

 

2.作品制作に向けた学習

8月、夏休みに入ると第一次審査の結果発表前から、連日集中講義を行ってコンテンツ制作のための勉強を始めました。内容はプロジェクションマッピング、モジュロール、3DCG制作、人体アニメーション、幾何学パターン、だまし絵、錯視、フラクタルなどについてでした。堤ゼミでは3D-CGの授業を必修としていますが、本格的な3D-CGソフトの使用は後期からですので、授業に先んじて夏休みに一気にそのスキルを手中に収める必要があったのです。

 

3.第1次審査通過

8月10日、第一次審査発表の日、全員で集まって審査結果を待ちました。19時頃に事務局から第一次審査通過の知らせを受け、さらに頑張ろうと、チームの気持ちを一つにすることができました。

 

4.作品テーマと制作

審査発表の日以降、完パケ(最終作品)提出日である11月30日までゼミ生は各自の担当を全うすべく、時には休日や日曜日も返上で努力を続けました。今回は以下に示すように人間と建物との調和・秩序がテーマでした。

人間と建物との調和・秩序が埋もれつつあると感じたもじゅろう(Modulor)は地球に乗り込みます。しかし、一見無秩序に見える建物を象徴する咲き乱れる花たちの中で、自分と花にはフィボナッチ数列や黄金比など、根の部分では共有しているものがあることに気がつき、もじゅろうは楽しく優しい気持ちになって花と融和していきます。

今回の作品において、もじゅろうは、建物を設計する際に用いられてきた基準寸法であるモデュールを発想の原点とする、人間と建物との調和・秩序を守る生き物という設定です。

冒頭写真 作品の冒頭部分(以下、写真はいずれもアワード事務局による記録映像より:https://www.youtube.com/watch?v=w9UJb2zNCr8&t=46m40s

モデュールの中でもよく知られているのが、ル・コルビジェによってモデュールと黄金比、フィボナッチ数列を組み合わせて再構成されたModulor(モデュロール)です。世界文化遺産に登録が決まった国立西洋美術館にも、その窓枠や外壁パネルの寸法にモデュロールの寸法が採用されています。

さて、例えば東京の街並みは、俯瞰写真などをみると一見思い思い調和も考えずにそれぞれの建築がデザインされているように見えます。今回、これを自由に咲き乱れる花たちで象徴的に扱いましたが、いろいろ考えるうちに、現代建築も何らかの寸法システムを持っているはずで、実は花もフィボナッチ数列などの規則性を持っているのでモデュロールと無関係ではないことに気がつきました。

中盤写真 作品の中盤、集団行動など規律に基づくもじゅろうの動きと気ままな花が触れ合う

そこで、もじゅろうと花たち(つまり現代建築)とは相反するものではなく最後は融和するという形にしました。また、テーマが空間寸法を対象としているので、強調された透視図やだまし絵風のシーンを作成し、プロジェクションマッピングらしい立体感と空間表現も試みました。

毘沙門亀甲写真 東京ビッグサイト会議棟壁面の形状に合わせた立体図形表現(毘沙門亀甲)のアニメーションシーン

なお、作品はもじゅろうと現代建築の新たな旅立ちを示唆するものとして「Starting over」と名付けました。作品の最後はもじゅろうと花たちとの融和を表現しています。

終盤部分写真 作品の終盤、花と融和するもじゅろう

 

5.感想と今後

作品には印象に残るカラフルなシーンを中心に、メービウスの輪とか、ペンローズの三角形、コルビジェのモジュロール・トゥーレット修道院の一室、フラクタル図形(踊るもじゅろうの足下や育つ植物の柄に配置)、毘沙門亀甲など、ゼミで取り上げるような内容を組み込みました。当日、実習室のスクリーンやPCモニターでしか見ることがなかった作品が幅90mほどの大きな外壁に投影された時は、さすがに感動しました。

作業が次々に増えて余裕があまりなくなってきた9月上旬に敢行したゼミ合宿では、PCを持ち込んでそれまでの作業を振りかえり、今後の指針を決定するために夜遅くまで話し合ったことが思い出されます。このようにチームメンバー全員がそれぞれ責任を持って担当部分をよりよく仕上げるために努力した点は、十分に評価できます。このような努力は今後、卒業研究の中でも十分に生かしていくことができるでしょう。

チーム_Cotton_Candy写真 チーム「Cotton Candy」と指導教員

その一方で、作品上映後に審査委員の先生方から直接伺った講評からは、映像や作品構成の基本を十分に身につけていないことの問題点が浮き彫りになりました。今回の挑戦では、まだ学生の内側に職業としての登竜門的な発想はなかったので、作品への向き合い方が不十分だったとも感じています。

また、先にも書きましたように、3D-CGの学習を始めたばかりの段階だったので、モデルやアニメーションの制作では頭の中にイメージは浮かぶものの、やりたいことに対して技術が追いつかず悔しい思いもしたようです。さらに、メンバー間で報告・連絡・相談がうまくできなかった時には、作業に余計な時間がかかったり、やり直しが重なったり、特定のメンバーの負荷が大きくなってしまったりして辛い経験もしたようです。

それでも、なんとか一つの作品として仕上げることができたことは、達成感という高揚を伴って、今後、卒業研究の中でも、あるいはその後の人生の中でも十分に生かしていける自信になったと思います。7月から11月末まで、非常に長い時間を要する活動ではありましたが、チームで議論し、自分を振り返り、仲間を知る、得難い5か月間だったと思います。

(記: 2017.01.07 堤研究室)

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明治神宮外苑にて開催されているクリエイティブの祭典、東京デザインウィーク2016の「学校作品展」に藤村ゼミ、中野ゼミが出展しています。大妻女子大学からは初出展となります。

今回の学校作品展のテーマは「Pairs」です。

藤村ゼミの3年生による「かがみらくる」は、鏡を使って「対(つい)」を表現した巨大な万華鏡(カレイドスコープ)のメディアアートです。プログラミングで生み出された寄木をモチーフにした映像が、手の動きを認識するLeapmotionによって刻一刻と変化し、美しい模様を作り出します。

かがみらくる
http://web.fujimura.com/blog/archives/1025

 

中野ゼミの3年生による「はなちゃんの恋の部屋’s」は、センサと映像を使って「モノ」とそこに込められた「想い」のペアを表現しました。架空の少女マンガに登場する主人公の部屋には、いくつか大切なモノが設置されています。そのモノを見つけたり、触れたりすると、主人公の「想い」が映像となって壁面に映し出され、ストーリーが見えてくるという作品です。

はなちゃんの恋の部屋's
http://hanakoi.kidaishintaro.com/hanakoi/

 

展示会場はとても広く、企業展示やプロクリエイター展示、イベントやフードも充実しています。最先端のデザインに触れに、ぜひ、会場まで足を運んでみてください。

 

【開催期間】
前期:2016年10月26日 〜 10月31日
後期:2016年11月2日 〜 11月7日 ※11月1日は終日閉場
※11月7日はイベント中止となりました

【開場時間】
11:00〜21:00 ※最終日は20:00まで

【会場】
明治神宮外苑 絵画館前
〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町2-3

【入場チケット】
2,500円(一般当日券)
大学生 1,500円 高校生 1,000円 中学生500円(学生証提示)

【公式ホームページ】
http://tokyodesignweek.jp/