情報デザイン専攻2年生の必修科目「クリエイティブ思考法」の第1回目(4月14日)は、今年度も本学名誉教授の田邉和子先生をお迎えして、「女性として生きる-卒業生の就職を通して」というテーマで講演していただきました。

田邉和子名誉教授の講演

講演の前半では、先生のご専門の原子核物理から、原子力の優れた点と問題点について学生にわかりやすい説明がなされました。後半では、情報デザイン専攻の卒業生の就業状況や、女性が活躍できる職業や仕事の選び方などについて、具体例とともに話が進みました。

学生は受講後の感想文で、たとえば「2011年度の東日本大震災で起こった様々な問題を自分自身のこととして捉えるようになった」と述べたり、また、就職について、「女性として社会で生きていくために、改めて考える機会になり、大学での勉強に対する意欲が一層高まった」と述べるなど、この授業をきっかけに社会への関心や本専攻で学ぶ意味を再確認できた様子でした。物事をいろいろな切り口で考えることや、積極的に新しい情報にアクセスして判断を行うことの重要性についても感想文で触れられていましたが、これは当授業の狙いである「気づき」であり、今後さらに理解を深めて行動に移してほしいものです。

 

以下は、講演後の学生の感想文から抜粋したものです。

 

放射能は害を与えるだけのものだと思っていましたが、考古学における年代の調査で必要なものだと知り、害を与える一面もあるものの、歴史を解明するという偉大な研究の一部に必要だということに驚きました。今まで原子力と考古学は全く関わりのない学問だと思っていたため、大きな関わりがあったことにも驚きました。(Kさん)

新しいエネルギー源が作られている事を知り、うれしかったです。もっとCO₂を作らず効率よく発電できる方法が開発されて安全な物ができるといいなと思いました。(中略)
卒業後の進路については、大妻は就職率が高く情報系が強いと聞きこの学部(情報系)での学びを生かして就職が決まるといいなと思いました。(中略)
企業側が求める礼儀正しさ、協調性をあと3年間で身に付けていき、普段から礼儀に気を付けて行動していこうと思いました。必要だと思われる人材にどうしたらなれるのだろうと考えられるきっかけになる講義でした。(Cさん)

 原発事故による放射能汚染で人体の影響など様々な不安要素が身の周りに起きていることを改めて知りました。しかし、それに対処しようと検出器の開発、宇宙線のミューオン測定装置の発明などの対策に取り組んでいることに感心しました。このような技術がますます必要となってくるとのことなので、私も大学で広い視野を持って学び、能力や技術を伸ばしていきたいです。(Aさん)

 東日本大震災の時の原発事故における放射能について、イメージはできても詳しいことは知らなかった。地震から月日が経ち、以前よりは原発問題などが報道されることは少なくなったが、未だに問題は多く残っていることが分かった。放射能などの問題などから他のエネルギー源を利用していこうとしても、それぞれにメリット・デメリットがあるため、簡単には移行することはできないということが、難しい問題だと感じた。(Kさん)

原子力発電について、今まで問題の内容をしっかりと理解してニュースを見てはいませんでした。今日のお話しを聞いて何が問題であるのか、知ることができました。今まではニュースを何気なく見ていましたが、汚染の現状や原発の内部についての詳しいお話しを聞いたことで原発問題への考えも変わりました。
人間の生死にも関わる自国の問題なので決して他人事ではないと感じました。原発に問題があるから代替エネルギーを使おうといっても、代替エネルギーにもそれぞれ問題があったりして、簡単に解決できる問題でもないので深刻なことだと思いました。(Mさん)

会社の選び方で将来伸びそうな会社、働き易い会社などの資料がとてもためになりました。企業が求める、基礎学力、協調性、礼儀正しさ、気配りなどを日頃から意識し、大学生活で身に付けていきたいです。(Nさん)

田丸ゼミの卒業研究をもう1件ご紹介します。

VisualBasic言語を用いて自動車の渋滞シミュレーションを行いました。 セルオートマトンの原理に基づき前に空きスペースがあれば走行でき、無い場合は停止するという簡単なルールを用いています。一方通行路と、途中1箇所に交差点がある道路の2種について検討しました。

図1は交差点がある場合のプログラム実行途中の表示画面です。2本の直交道路の左端および上端からランダムに自動車が発生し、右方および下方に黒丸(自動車)が移動します。画面では渋滞が13回発生したことが示されています。


図1 プログラム実行途中の表示画面

図2は交差点道路の観測時間と渋滞回数の関係のグラフです。パラメータとして、自動車の発生頻度を40,50,60% としています。


図2 渋滞回数のグラフ

ゼミのホームページで他にも卒業研究の紹介をしています。こちらをご覧下さい。

田丸ゼミの卒業研究をご紹介します。

LEGO社のMindstormsロボット用カラーセンサ2種に関して、 センサとカラー対象物との距離、角度、周囲光などに対するカラー認識特性を測定し、 相互に比較しました。さらにこれらをロボットに搭載し、 ライントレースの走行制御を行い、走行特性などを測定しました。

図1は標準カラーの認識特性(角度の変化に対する)の測定に関して分度器を用いて センサの角度を調整している様子です。


図1 角度変化に対する特性測定

図2はカラーセンサによる走行特性を測定するときのロボット外観写真(ロボット先端にカラーセンサが設置されている)です。


図2 走行テストに使用したロボット

このように、田丸ゼミでは研究テーマとして「予測」や「推定」を取り上げ、それらに関する問題をプログラミングによるシミュレーションあるいは実験により検証しています。