藤村ゼミの卒業研究をもう一件紹介します。この作品は、マイコンボードArduinoと音情報を取得するための音センサ、そしてELワイヤーという光るワイヤーを用いて、音楽に即時に反応し光るコスチュームです。本作品ではマイクから取得した音声をFHTライブラリによりスペクトル分析を行い5つの音域の強度に変換し、下図のように音域毎に対応するELワイヤーを音の強度に応じて点灯させています。

一定時間の音の強度の平均値に基づき、反応する音のしきい値を自動的に調整するオートゲインコントロール機能を実装しているため、静かな場所でも、大音量のライブ会場でも適切に光らせることが可能です。また、PCは不要でArduino単体で実装されているため、低コストで実現できます。

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藤村ゼミではこのようなコンピュータ技術と手芸を組み合わせたテクノ手芸やメディアアートの制作を行なっています。

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今年の9月の話ですが、藤村ゼミでも夏季合宿を行いました。行き先は、群馬県みなかみ温泉です。初日は旅館の会議室で光ファイバーとLEDを使った「テクノ手芸」に取り組みました。テクノ手芸は、電子部品を活用した手芸の一分野です。

合宿の約1ヶ月前、合宿ではテクノ手芸をやることは決めていたのですが、実際、何を作ろうか模索しておりました。そんな折、ゼミ生がネット上で光ファイバーを使った素晴しい作品を制作しているフィルノットという会社を発見し、その技術があまりにも素晴しく、それに感銘を受けたというのが今回の「光ファイバー手芸」のきっかけです。その会社の創業者は、25年以上前に、たまたま光ファイバーをマクラメと呼ぶ紐の結び方をすると、その結び目から光ファイバーの光が漏れ出て、発光するということを発見し、それ以来、長年に渡って技術を磨いてきたとのこと。実際、このサイトでは本当に素晴しい作品が沢山紹介されております。光ファイバーアートでは世界一だと思います。

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今回の合宿では、最初はプログラミング技術のスキルアップにもつなげたいと考え、ArduinoでLEDの点滅を制御させようと考えていましたが、合宿では時間的な制約がありますので、プログラミングは行わず、光ファイバーを結ぶ「手芸」の方に焦点を置いて取り組みました。アクセサリー作りは、女子大生には得意とする人も少なくなく、初めてにしてはとてもオリジナリティのある作品ができました。光ファイバーは弾力性があり、また強く結ぶと切れるので、扱いがかなり難しいのですが、参加した学生は4時間に渡って作品作りに集中していました。光ファイバー手芸は、今回の合宿をきっかけに、今後も技術を深めていきたいと考えております。

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合宿の二日目の午前中は、自由行動としまして、ラフティング、カヌー、散歩の3つのグループに分かれて行動しました。最も多くの学生が参加したラフティングは、急流をゴムボートで下るものですので、とてもエキサイティングな体験ができました。そして午後はバーベーキューを楽しみました。写真はバーベーキューの後で撮影した集合写真です。来年はどんな企画になるのか、とても楽しみです。

尚、藤村ゼミの活動はこちらのサイトでも紹介しております。