情報デザイン専攻2年生の必修科目「クリエイティブ思考法」の第3回目(4月30日)は、情報デザイン専攻(旧社会情報処理学専攻)の3名の卒業生を迎えて、『企業人として生きる』というタイトルで講演していただきました。

今回講演いただいた3名は、国立の工学系大学院へ進学した後に大手通信会社のSEを経て、CEOオフィスやネットワーク系の業務を担当されているH.T.さん、大手通信会社でシステム担当の主任をされているM.Y.さん、大手銀行のインターネットバンキングシステム部でSEを経て、与信企画部で銀行全体の与信管理を担当されているM.N.さんで、本専攻を卒業して6年になります。お一人ずつ、企業で働く楽しさや満足感、アルバイトからでは理解できない社会で働くことの充実感、また、辛いことや休日のプライベートな生活などについて、自分の経験に基づき具体的にお話しいただきました。

講演の様子
講演の様子

今年の講演内容の共通していた特徴の1点目は、企業のグローバル化に向けて、社員の語学やコミュニケーション力の重要性を強調されていた点です。外資系の色彩の強い企業に就職して社長秘書の経験もあるH.T.さんは、英語の発音も大変すばらしく、まさに生きたコミュニケーションを日常的に行っているという実感が伝わってきました。学生の感想文からも、多くの学生がこの点について心を動かされたようでした。また、2点目は、専門性を高める必要性が求められるという点でした。3名ともSEという専門性の高い職種の経験がありますが、基本情報処理技術者試験への挑戦、TOEICへの挑戦など、企業に勤めながらもさらに専門性を高める学びを日々行っているとのことでした。

講演の様子
講演の様子

M.Y.さんからは、SEの仕事について、V字型モデルを例にシステム開発におけるSEの役割、求められる能力を話されました。SEの仕事はメリハリがあり、時間に追われる時期もあるが、仲間と共同で開発してきたシステムが完成したときの充実感や時間に余裕があるときの時間の過ごし方など、専門職性の高い職種の働き方の楽しさが紹介されました。金融関係の仕事をしているM.N.さんからは、自ら仕事に手を挙げる勇気と大切さを話されました。3名の方々に、将来の自分について、どう在りたいか語っていただいたとき、全員が働き続けていきたいと答えていたのが印象的でした。

講演の様子
講演の様子

公演後の質疑応答では、就職活動の方法や体験、後輩へのアドバイスなどに話題が移り、在校生が就職活動を身近な問題として感じ始め、就職活動を考える貴重な時間が共有できたと見受けられました。本講演の一つの目的が達成されたのではないかと思います。

公演後に控室に戻り、3名の先輩達の雑談のなかで特に印象的だったことは、「自らの職業人生を考えたとき、資格、特に教職の資格を取っておきたかった」という内容でした。(1名の方は、取得されて卒業されています。)今から取るにはどのような方法があるのか、そのとき大学はどのようなことを支援してくれるのか、など具体的な話へと広がりました。