生活専攻の三浦教授が翻訳に参加した「近現代ヨーロッパ200年史」(全4巻)が完訳。
2019年10月29日
シリーズ最終巻となる『分断と統合への試練 ヨーロッパ史1950~2017』が出来上がりました。『力の追求 ヨーロッパ史1815~1914』(1、2巻)と『地獄の淵から ヨーロッパ史1914~1949』(3巻)と合わせ、これで19世紀と20世紀を俯瞰するヨーロッパ通史が完成しました。原著者は英国の著名なドイツ史家、リチャード・エヴァンズ(1、2巻)とイアン・カーショー(3、4巻)です。
最終巻は第2次世界大戦終結後、米国とソ連を東西両陣営の盟主とする冷戦構造が定着した1950年に始まり、冷戦終結とソ連の消滅(89~91年)を経て、地球温暖化、金融危機、国際テロ、難民危機といったグローバルな難題が出来する現在までを扱っています。わたしたちが生きている現代世界の特徴は、19~20世紀前半のヨーロッパ帝国主義以降に弾みがついたグローバリゼーションと、1980年代以降の情報革命が複合した社会の構造転換にあります。現代世界の社会と文化の変容も丹念に描かれており、大部ですが教養書としてオススメです。