能登の里海里山の保全に向けた取り組み紹介
2022年03月08日
環境情報学専攻の細谷ゼミでは、主に海の生きものを対象として環境を考えており、マイクロプラスチックの取り込みについて調べたり、里海保全を考えたり、理科の教材例を作成したり、と、さまざまな取り組みをしています。
このうち、里海保全の取り組みとして、2015年から能登半島にある穴水町・能登町において、地域の方たち共に活動を行っています。その活動がきっかけとなり、2018年7月には本学と穴水町が包括連携協定を締結しました。
昨年度(2020年度)は、新型コロナウイルス感染拡大により、現地に出かけて活動することはできませんでした。
しかし、これまでの活動で、穴水町鹿波地区の鹿波椿保存会と穴水高校の生徒、ゼミの卒業生で穴水町の地域おこしに尽力している齋藤雅代さんと協同で商品化につなげた「鹿波椿茶」が、「鹿波産椿オイルと茶葉のギフトセット」になり、2020年10月から穴水町のふるさと納税の返礼品として採用されました。ゼミでは、椿が自生する鹿波地区で現地調査を行い、椿の葉を焙煎・手もみして椿茶にする体験などを行ってきました。さらに、本学の文化祭や穴水町の雪中ジャンボかきまつりで、ゼミ生が椿茶を紹介するなど、商品の広報活動にも携わってきました。
さらに、「鹿波椿茶」は石川県主催の「第10回いしかわエコデザイン賞2020(サービス領域)」において銅賞を受賞しました。「いしかわエコデザイン賞」は持続可能な社会の実現に向けて生み出された、石川県発の優れた製品やサービスを育むことを目的とした賞で、「鹿波椿茶」が産官学連携で開発され、椿自生地の保護や製茶文化の伝承、地域の持続的発展に貢献している、と評価されました。
細谷ゼミでは、他にも、穴水町の子どもたちと協同で「うみいくカード」の作成を行うなど、能登の里海里山保全の活動を行っています。ゼミ生は活動を通じて、能登の自然の豊かさ、地元の人たちの暖かさなどにふれると共に、地方の地域が抱えるさまざまな問題について考えています。

能登の海での生きもの観察の様子(2019年)

ふるさと納税返礼品