はじめての植林ボランティア!
2010年07月27日
木村ゼミでは、さまざまな地球環境問題について学んでいます。2011年は国連が定めた「国際森林年」であり、また「国連生物多様性の10年」の最初の年にあたることから、生物多様性条約事務局の呼びかけに応じ、世界各地で植林が行われています。日本でも環境省が中心となり、「グリーンウェーブ(緑の波)2011」という取り組みが行われており、木村ゼミもこの一環として、5月に湘南国際村で行われた植林ボランティアに参加しました。
世界中で4000万本以上の植樹指導をされている宮脇先生(横浜国立大学名誉教授、(財)地球環境戦略研究機関・国際生態学センター長)のご指導のもと、地域の方と交流しながら参加する植林は、多くの学生にとっては初めての経験となりました!






【学生の感想】
●今回の植樹では、もともとこの土地に自然に植生する7種類の樹種(タブ、シイ、シラカシ、ウラジロガシ、アカガシ、アラカシ、オオシマザクラ)からなる、約6000本の苗木を小さな子供から年配の方まで計650名の参加者の方と一緒に植樹しました。根の入ったカップより1.5倍掘って空気が入るように浮かせ、根元の部分は固めないようにご指導頂きました。均等に一直線ではなく同じ樹種が隣同士にならないように、1㎡あたり2-3本の高い密度でばらばらにジグザグになるように植え、強風、豪雨による土壌の流出、地表の乾燥を防ぐための藁を引き、縄でとめました。藁に触れたのは初めての経験でした。植生生態学、植物社会学に基づく「宮脇方式」と呼ばれるこの植栽手法は海外でも高い評価を受けており、安定した強い森を短時間で再生し、維持管理を最小限に抑えることができるそうです。自分たちの背丈ほどに大きくなるにはこれから何年もかかると思いますが、将来の防災や温暖化防止に役立って欲しいと思いました。(S・M)
●森林伐採や温暖化が問題となっている中で、普段はコンビニでお箸を貰わない、紙の無駄使いをしないことぐらいしかできませんでしたが、今回の活動ではさらにCO2を吸収する森林を増やすことに貢献できてよかったです。(A・T) 今回の植樹に参加したことで環境問題にさらに興味が湧き、環境改善のために自分が何ができるのかを考える良い機会となりました。(K・S)今までは植樹祭があることすら知りませんでしたが、今後は、個人でも色々な活動に目を向けてみようと思います。(M・N)
【教員より】
植樹の後、地球環境戦略研究機関の田辺先生のご指導のもと、国際的に用いられている2006年IPCCガイドラインに基づき、植林によるCO2吸収分(木村ゼミ14人分で計算)を計算したところ、今後15年で約22トン(CO2換算)の吸収分となりました。1人の人間が1年間におおよそ10トンのCO2を排出すると言われていますので、これは1人の人間が2年間に排出するCO2に相当します。
最後に、本活動について英語ゼミを行い、学生が中心となって生物多様性条約事務局に報告(英語)を行いました。本活動については、環境省の報道発表として公表される予定です。11月には東京湾で行われる海の森プロジェクト(植林)にボランティアとして参加する予定です。
ゼミでは、昨年、名古屋で開催されたCOP10でゼミ合宿を行いましたが(前回の記事参照)、ゼミ活動での成果をとりいれながら、生物多様性に関する医薬品、美容品、食品をめぐる途上国の生物資源問題や東京湾の干潟(三番瀬)を卒業論文のテーマとして取り組んでいる学生もいます。