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佐藤洋一ゼミナール

2015年のゼミ風景 ― 模擬シンポジウムと卒論準備合宿 ―

2015年10月16日

Ⅰ.ゼミで模擬シンポジウムに挑戦


 4月から新3年生ゼミが始まりますが、私達のグループは初回に「模擬シンポジウム」に挑戦しました。ゼミ生の中で5人は勉強したいテーマが似ているとのことで、テーマは「日本企業の競争状況を考える」になり、年明け1月に研究室に集まり、ゼミ開始前に企画を練ることになりました。佐藤先生によると、4月にのっけからしかも「模擬シンポ」をやってみるというのは、初めての試みだそうです。

(1)準備編
 私たちは「シンポジウム」という言葉をテレビ等で耳にする程度で”シンポジウムって何?”ここを理解するところからはじめていきました。「シンポジウム」とは「討論会」を指す言葉で、ただ発表するだけでなくひとつのテーマに沿ってメンバーで話し合うものです。春休み中も何度か集まりシンポジウムの方向性を考えていきました。参考動画をもとに主なシンポジウムの流れを理解し、メンバー各々研究したいこと、それは結果的にどのように提示されたテーマに結びつくのかを考えていきました。ゼミ初回授業にむけて春休み中に何度かメンバーで集まり、これらの準備をしていきました。この取り組みから関わりを持つようになったメンバーとも次第に仲良くなっていき、お互いにあだ名をつけて呼び合うほどになりました。準備では、まずそれぞれどんな文献を元に研究したいのか伝え合って、全員がテーマに沿って共通するものとは何かを中心にシンポジウムの流れを作っていきました。準備するなかで、“内容が似ている”と言っても、「お寿司屋さんのマーケティング」「ディズニーランドのマーケティング」のような身近にある企業の経営戦略から競争状況を調べる者もいれば、企業の上手な“売り込み方”からテーマに近づけていく者もいて、それぞれ用意した文献は全く違う系統でどうつなげていくかが大きな問題点となりました。

(2)発表当日
 初回の模擬シンポ当日は、とても緊張しましたが、皆それぞれ準備した内容を発表することが出来たと思います。それぞれ分析してきた内容は異なるものの、ひとつの共通ワードを見つけて競争状況について討論していきました。
討論の結果、成功している企業は“差別化”をはかりそれぞれの市場競争のトップを勝ち抜いていることがわかりました。例えば、メンバーの発表の中にあった「お寿司屋さんのマーケティング」では、多くの回転寿司チェーン店がある中トップ3にあるかっぱ寿司・スシロー・くら寿司の経営戦略を中心に、原価比率やサイドメニューの工夫の比較をして、それぞれがはかっている差別化を分析していきました。また、CSR(企業の社会的責任)の視点から企業戦略を見ていく報告もありました。CSRの一つである環境保全活動によって社会貢献するとともに、企業のイメージアップにつなげているところに会社の差別化戦略があります。
 各自の研究発表準備の段階から聴衆に興味を抱いてもらえるかを意識しながら構成を考えていきましたが、人の前に立って発表することに慣れていない私たちには簡単なものではありませんでした。”討論すること”と”発表すること”の違いに悩んだり、メンバー5人の研究内容を繋げいくことであったり、司会進行もすべて自分たちで取り組むということで話の流れをつくっていったり、質疑応答を互いにしあったり、シンポジウムだからこそ生じる課題がたくさんありました。“討論会”を意識して準備はしていたものの、いざ本番となると思うように進行できなかったりすることもありました。
全員の研究内容をうまくまとめ発表し、聴衆に伝達するということ(”アウトプット”)は成功しましたが、客観視すると準備の時点から悩んでいたメンバー全員の内容の繋がり、そしてテーマに結びついているかというところが甘く、「シンポジウム」の奥深さを知るとともに、反省点が残りました。

(3)模擬シンポを通じて得たもの
 シンポジウムに向けて、自分が知ってみたかったマーケティングについてたくさん学ぶことができたと思います。私はディズニーのマーケティングについて研究しましたが、発表段階では知らなかったディズニーランドの新たなライバルはテーマパーク以外にも存在するのではないかという意見には深く興味を持ち、今後の研究課題も得ることができました。
 ゼミに入ってから新たに関わるゼミ生といきなり初回のゼミで時間を設けられ、最初は“シンポジウム”というものが完成するのか不安でいっぱいでした。しかし、話し合いをしていく過程でゼミ生とも打ち解けられていくことができ、シンポジウムをやり終えた今は本当にやってよかったと思います。また、”一つのことを追求していく”という意味の大切さを知ることができました。ゼミが本格的にスタートする前からこのように準備していき、このことを知れたのは、最終的に研究の成果を出す卒論に向けての今後のゼミ活動のために大きなものを得ることができたと思います。今回本番で反省点はありましたが次回の課題にすることができ、この佐藤ゼミで成長していけたらなと思いました。(KM)

佐藤先生のコメント
 ゼミを始めるにあたって、多くの人が「ゼミで他の人から意見を聞きたい」と希望していました。「意見を聞きたい」ということは自分も他の人の報告に対して「意見を述べる」ことと裏腹です。「シンポジウム」は皆さんの希望を具体化したものでした。話を具体化すると皆さん「不安、不安、不安」と言いますが、僕だって「どうなるか不安」でした。不安のない挑戦はありません。挑戦なき安心は安住でしょう。初めてにしては上出来だったのではありませんか?

Ⅱ.夏の軽井沢で卒論準備合宿

 こんにちは。佐藤ゼミ3年のR.Hです。
 現在、佐藤ゼミでは一人ひとりが関心のあるテーマを扱い、卒業研究に向け学習しています。取り組むテーマは多種多様であり、各人のテーマは、今日の現代経済の歴史的形成と資本主義論について、開発途上国の経済を発展するための経済政策、あるいは最近話題の環太平洋経済連携協定(TPP)、そして日本における労働問題についてなど、どれも興味深く、他の人の発表を聞くと、さまざまな視点から多くの刺激をうけることができます。


 現在、私が扱っているテーマは、「アジア太平洋地域における経済発展とニュージーランドにおける役割」についてです。高校生の頃から国際協力という分野に関心を抱き、大学では国際協力活動に取り組んできました。そこで、ゼミでは開発途上国の経済発展を促進するには、どのような経済政策が必要であるのか「開発経済学」を通じて学びたいと考えるようになりました。ニュージーランドというと、文化や経済、地勢面などあまり具体的なイメージが思いつかない方が多いと思います。最初は、私自身がそうでした。しかし、ゼミが始まる4月からこれまでの半年間、文献を読むことはもちろん、佐藤先生からのアドバイスを通じてさまざま角度から新しい知識や考えを得るようになりました。最初の頃は、手探りの状態だった研究テーマも固まり、卒業研究に向けてさらに邁進していきたいと思います。
 今年のゼミ合宿は長野県中軽井沢で行われました。合宿の主題は、卒論中間発表です。時期的には卒論提出はまだ先ですが、「今年から、経団連傘下の大手企業の採用活動が8月以降になり、結果として4年生の就職活動が長期化しているので、4年ゼミはどうなるか不確実です。3年生の段階で卒論の目途をつけておきましょう。君たちは一度に二つのことは出来ないでしょ!」だそうです。
 自然豊かな環境の中での合宿は、学習する上で十分すぎるほどでした。2泊3日のスケジュール作成、宿泊場所の手配、食事の献立や買い出し、交通機関の予約など幹事を中心としてゼミ生全員が協力した上でゼミ合宿が行われます。佐藤先生は「ゼミで企画力をつけたいって言っていた人もいましたよね」と言って、運営はゼミ生にほとんど任せています。
 学習面では、卒業論文に向けた中間発表の他に、個々人が関心を抱く時事問題について議論しました。マイナンバー制度や18歳選挙権、食糧自給率問題、原発の再稼働など、普段のゼミではカバーできないテーマに取り組み視野を広げることができました。
 また、長野県の新鮮で美味しい食材を使って全員での食事作りやBBQ、温泉などにも行きました。学習はもちろんですが、リフレッシュも仲を深める上での合宿の醍醐味です。2泊3日という短い期間ではありましたが、これまで以上にゼミ生同士の仲が深まり、沢山の思い出を作ることができました。
 ゼミに取り組んでちょうど半年を迎え、学習面だけではなく新しい環境の中でお互いを高め合える友人もできました。このゼミで何としても自分のテーマに取り組みたい!という思いから一人で佐藤ゼミに飛び込んだ頃は、不安はもちろんありました。しかし、これから控えている就職活動や卒業論文に向けて、仲間と一緒に切磋琢磨して取り組んでいきたいと思います。

佐藤先生の雑感
 今年のゼミ合宿は山小屋風で自炊でした。食事は全てゼミ生が用意してくれました。特筆すべきは、予算内で食材を集め、会計処理もしっかりしていること(余分でちょっとお高いものを買おうとしたら却下されました(涙))。しかも、余った食材なしで使い切り。感動ものです。今年のゼミ生は“女子力”めちゃくちゃ高いです!!

夕食 軽井沢夏野菜カレー、キャベツスープ、サラダ
朝食 フレンチトースト、スープ、サラダ
昼食 冷やし中華
夕食 バーベキュー、海鮮汁、おにぎり
朝食 軽井沢ジャム+トースト、残りもので炒飯など