口コミュニケーションの研究 〜マーケット戦略から見る口コミ

       

 

問題意識

何か欲しいという欲求に駆られたとき、どこからの情報を重視するのか。

販売員が勧めてきた商品をすんなりと購入することができるか。この人・この店が自分のことを本当に考えているのか、という疑問を抱くだろう。そのとき顧客は、ただ一点「現場の対応」を見て、その企業経営者の思想まで視野に入れ、選択する。人間は、自分が肌で感じたものを何よりも信じるものなのである。その見極めはチラシや広告宣伝ではわからない。チラシや広告媒体で企業姿勢が伝わるはずはない、顧客はそう考えている。つまり確信の持てる情報は仲間の口コミなのである。その一番身近でもっとも有力だと考えられる口コミ、とりわけマーケティングにおける口コミの役割について研究をしていく。

方法

成功実例(うわさとの融合のケース・メディアとの融合のケース)を取り上げ、そのなかで口コミがどのような役割を果たし、影響を与えたのか、検証をしていく。

 

結果 》   【 雑誌との融合による2つのケースの比較 】

 

キルフェボン

コロコロコミック

ターゲット

若い(20・30代の)女性

小学生の男子

売上げ

全店舗で約6億7千万円

発行部数 毎月200万部

融合の仕方

雑誌の取材にて取り上げられる(口コミの対象→雑誌)

連載漫画『ポケットモンスター』のゲーム化(雑誌→口コミの対象)

成功の基盤

静岡での成功ののち、

東京に進出

もともとあったコロコロコミックの影響力の強さ

口コミで広がったきっかけ

 

雑誌取材のみでの顧客獲得に希少価値があると判断され、うわさになった

存在が公表されていないキャラクターの発見に対し、公の情報の信憑性が下がり、うわさになる

 

考察

これからのマルチメディア社会では情報は氾濫し、今まで以上に翻弄されてしまうであろう。多くの情報が存在するなか、口コミで広まる情報というのは、少なからず伝達をした人々の心をとらえた証である。受信できる情報のみに耳を傾けるだけではなく、自分の欲しい情報はさまざまな方法で取得すべきである。そしてこれからのマルチメディア社会で個人、一人一人が情報の真偽を見極める目・姿勢を強化していかねばならない。