タスクの得意・不得意を可視化するToDoリストシステム
本研究では、タスクの想定時間と実績時間、ならびに簡易的な振り返り文を記録・分析することで、ユーザの得意・不得意を可視化するスマートフォン向けToDoリストシステムの提案および実装、評価実験を行った。
本研究で提案するシステムでは、タスクの登録時に想定時間を入力し、完了時の実績時間および振り返り文を記録する。タスクは作業特性に基づくカテゴリに分類し、これらのデータからカテゴリごとの想定時間と実績時間の差分を集計・可視化することで、ユーザの得意・不得意の傾向を把握できるようにした。また、分析結果をユーザに分かりやすく伝えるため、LLMによる簡易的なフィードバックを提示する機能を実装した。分析処理はすべて決定論的な計算に基づいて行い、LLMは自然言語表現を生成する目的でのみ使用している。
システムの有効性を検討するため、アプリの利用データおよびアンケート調査を行った。その結果、想定時間と実績時間の比較により自身の行動傾向に気づけたという評価が得られ、時間の見積もりやタスク管理を意識するようになったとの回答が多く見られた。一方で、想定時間の設定の難しさや、振り返り入力の習慣化に関する課題も明らかとなった。
本研究により、想定時間と実績時間の差分を用いた得意・不得意の可視化が、ユーザの自己理解やタスク管理意識の向上に寄与する可能性が示された。今後の課題として、タスク着手前の支援やカテゴリ設計の拡張、振り返り入力を促進する仕組みの検討が挙げられる。