複数人の協調性を要するエクサゲームシステム
大学や企業においては,短時間で構成されるグループによる活動が存在し,参加者同士の関係性が十分に形成されないまま共同作業を行う場面も少なくない.このような状況では,発言をためらうことや他者への過度な配慮により,相互交流が生じにくい.そこで活動前に緊張をほぐすアイスブレイクが用いられている.特に身体を用いたアイスブレイクは短時間で緊張を緩和しやすいとされているが,その後の作業にどのような影響を与えるのかについては,十分に検討されていない.
そこで本研究では,短時間で実施可能な身体協調ゲーム体験に着目し,複数人の協調性を要するエクサゲームシステムを提案する.提案システムとして,USBカメラとPCを用いて参加者の身体動作を認識し,2人でポーズを合わせる「ポーズゲーム」を実装した.システムの効果を検証するため,ポーズゲーム体験の有無を条件として設定し,共同作業課題としてボール運搬課題を行う実験をした.
実験の結果,ポーズゲーム体験は作業効率を必ずしも向上させない一方で,声掛け回数や協調意識に関する評価が高まる傾向が確認された.これらの結果から,短時間の身体協調ゲーム体験は,即時的な作業効率の向上よりも,参加者間の相互意識や協調を促進する導入的な役割を果たす可能性が示唆された.