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  • 国際学術誌「Frontiers in Microbiology」に掲載

    社会情報学部社会情報学科環境情報学専攻の氷見英子教授は、神奈川大学および京都大学との共同研究により、世界的に広く用いられている原生生物であるミドリゾウリムシの新たな培養手法を確立し、その研究成果が2026年5月1日付で国際英文学術誌「Frontiers in Microbiology」に掲載されました。

     

    【背景と課題】

    対象となったミドリゾウリムシは、細胞内に共生藻(クロレラ)を維持する細胞内共生モデル生物として、古くから世界中で広範に研究されています。共生藻が光合成によって生産する栄養分を宿主(ミドリゾウリムシ)に供給するため、本生物はエサがない条件下でも、光さえあれば生育が可能というユニークな特性を持っています。

     

    しかし、本生物の維持・培養方法については、各研究室で個別に調製された培地(レタス等、植物抽出液などの天然成分)が用いられることが多く、統一された標準培地が存在しませんでした。天然成分を由来とする培地は、植物の生育地や採取時期、品種による成分組成の変動が避けられず、実験結果の再現性や、異なる研究グループ間でのデータ比較・統合において大きな障壁となっていました。

     

    【研究成果の概要】

    本研究グループは体内の共生藻に着目し、すでに単体での培養法および組成が確立されているクロレラ用の無機合成培地(AF-6培地)が、宿主であるミドリゾウリムシの培養にも適用可能であるとの仮説を立て、検証を行いました。

     

    実験の結果、成分・濃度が完全に定義されたこの既知の合成培地を用いた場合でも、従来の天然成分由来培地と同等の良好な生育(増殖効率)が確認されました。成分が明確な合成培地が、宿主であるミドリゾウリムシ自体の培養適性をも満たすことが科学的に実証されたのは、今回が初めてです。

     

    【今後の展望】

    本成果により、世界中の研究者が同一組成の合成培地を用いて実験を行うことが可能となります。培養条件の差異に起因するデータのブレが排除されるため、全世界の多様な研究成果を正確にすり合わせ、統合することが可能になります。本生物を対象とした細胞内共生や進化生物学、環境応答研究の基盤を揺るぎないものとし、今後の学術研究を国際的に加速させる極めて重要な足がかりとなることが期待されます。

     

    <論文の詳細は以下の通りです。>

    タイトル:A defined synthetic algal medium enables lettuce-free culturing of unfed Paramecium bursaria while preserving host-associated microbiome composition

    URL: https://www.frontiersin.org/journals/microbiology/articles/10.3389/fmicb.2026.1821058/full

     

    【専攻名称が変わります!】

    環境情報学専攻は、2027年度より「環境デザイン専攻」へと名称が新しくなります!

    研究報告 研究内容 メディア掲載