<松田ゼミ-7 前へ>

報告者: 椎野綾菜(情報デザイン専攻/松田ゼミ)

今年から、オープンキャンパスで、学生が主体で作成したデモを展示する場所を設けていただき、多摩キャンパス、千代田キャンパスで、椎野、鈴木、石川(松田ゼミ)の3名が作成した2つのデモの展示を行いました。図1は、6月21日に多摩キャンパスで行われたオープンキャンパスの様子です。図2は、8月1日、2日に千代田キャンパスで行われたオープンキャンパスの様子です。ここでは2つのデモのうち、椎野が作成した脳波を用いたゲームについて説明、報告します。

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図 1 多摩キャンパスのオープンキャンパスの様子
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図 2 千代田キャンパスのオープンキャンパスの様子

1.デモの内容

今回オープンキャンパス用に作成したのは脳波センサーを利用したゲームです。図3はゲームの画面です。実際には、この画面は図4に示すように壁面に投影して表示しました。これは、「脳で集中すればするほど、キャラクターがたくさん発生する」というゲームです。脳波センサーをつけて何かに集中すると画面上に最大で25匹のキャラクターが発生され表示されます。しかし、集中できないと1匹もキャラクターが発生しません。このため、参加してもらった人には、集中しやすいように数を1から順に数えてもらったり、真剣に1つの場所を見てもらったりするなどして高得点がとれるようにしました。画面の右側の集中度のメーターと数字が、リアルタイムの集中度を表しています(ここでは29%と表示されています)。この集中度をもとに上から出てくるキャラクターが増えたり減ったりしし、出てきたキャラクターの数が左側のスコアに反映されます。

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図 3 ゲーム中の画面

図4は実際にゲームをプレイしているときの様子です。

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図4 ゲームをやっている様子

2 どうやって実現したか?

脳の集中力を計測するために、図5の「MindWave Mobile」という脳波を計測できる器機を使用しました。この計測器は、頭につけることで得られた脳波から集中度を計算できます。このデータはパソコンに送りプログラムで処理することができます。この集中度をプログラムで得点化することで、50秒間でどのくらい集中できたかをゲーム的に視覚しています。データを受け取り、処理し、ゲームとして表示するプログラムは、1年生で習ったプロセシングで開発しました。脳波をプロセシングに取り込む部分は本学研究補佐員の由谷哲夫さんに作成していただいたライブラリを用いました。

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図 5 MindWave Mobile

「MindWave Mobile」は、図6の丸で囲まれているところにセンサーがついています。上の平らな部分を額にあて、クリップになっているところを耳たぶに挟み図6のように装着して脳波を計測します。計測したデータは、1秒ごとにパソコンに送られゲームに反映されます。

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図 6  MindWave Mobileのつけ方

3 来場者の反応

今回のオープンキャンパスでは合計で44人の方に本ゲームに参加してもらえました。デモを行ってみて分かったことが2つありました。1つ目は、「脳波を使ったゲーム」をやることに抵抗がある思う人がいることです。また、図4のように壁にプロジェクターで投影することで、自分の集中力がほかの人に見られてしまうことが恥ずかしと思う人が多くいらっしゃいました。なかなか自分の集中度を把握することはなく、自分の集中力が低かった場合どうしようと思う人が多かったようです。特に、オープンキャンパスはご両親と一緒に来ている方がほとんどだったので、親に集中力がないのがばれてしまったらどうしようというと思う方もいたのかもしれません。2つ目は、本学のオープンキャンパスは、図7のタイムテーブルをみてどの学科ガイダンスと体験授業を受けるかを決めているという人や、全体を学生が説明してくれるツアーで通りかかっただけで時間が限られているという人が多く、ゲームには参加できない人がいたことです。

実際にやっていて、オープンキャンパスで脳波を使ったゲームをデモすることは、抵抗があったりほかのスケジュールのことがあったりしてデモの難しさを感じました。しかし、参加してくれた人からは、自分の集中度合いやゲームの結果にかかわらず「おもしろい」や「すごい」といってくれる方が多くいらっしゃいました。

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図 7 オープンキャンパスのタイムスケジュール

4 デモ作成で苦労した点

前にも書きましたが、このゲームを作成するために使用した、プログラミングの言語はプロセッシングです。この言語は、大学1年生の後半で学んだプログラミング言語です。授業で学んでいた時は覚えていたことも1年以上使用していないと忘れてしまい、いざプログラムを作ろうと思ってもなかなか思い出せなくて苦労しました。また、脳波データをゲームにするところでも、キャラクターの出し方や個数、画面のデザインなども、なかなかうまく思った通りにならず何回も試行錯誤を繰り返しました。

5まとめ

今回のオープンキャンパスでは、初めての試みだったため、なかなかうまくいかないこともたくさんありました。オープンキャンパスでデモを行う場合、大学を見に来てくださった高校生が自分の都合に合わせて見られる展示のほうが、より多くの高校生に見てもらえて大学に知ってもらえると思いました。オープンキャンパスでは、来場者の時間が限られているため、気軽にできて分かりやすいデモがよいのではないかと思いました。

最後に、デモの作成を手伝ってくださった本学社会情報学部情報デザイン専攻研究補佐員の由谷哲夫さん、デモの機会を提供してくださった大妻女子大学の先生方、ゲームに参加してくださった高校生と保護者の皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

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