【授業紹介】第9回 プログラミング入門・プログラミングコンテスト結果発表

情報デザイン専攻では、はじめてプログラミングを学ぶ1年生向けに「プログラミング入門」という授業があります。ほぼ全員がプログラミング未経験から取り組み、プログラミングの基礎を学びます。2021年度はProcessingをJavaScriptで書けるようにしたライブラリp5.jsを導入して2年目となります。p5.jsはProcessingをJavaScriptに移植したものなので、自分の手元に開発環境が整っていなくても、Webブラウザ上でコーディングや共有が簡単にできるという利点があります。またアニメーション等の表現がしやすいことでも知られています。

2021年度も最後の3回の授業時間を使ってプログラミングコンテストを実施しました(これまでの結果はこちらからご覧になれます。第1回コンテスト第2回コンテスト第3回コンテスト第4回コンテスト第5回コンテスト第6回コンテスト第7回コンテスト第8回コンテスト)。

2021年度のプログラミングコンテストのテーマは「ダイバーシティ」にしました。「人種、性別、年齢、障がい、国籍、民族、宗教、社会的地位、性的指向・性自認、価値観などの違いを尊重し、認め合う社会にする」という考え方を啓発するためのプロモーションアニメーション又はインタラクティブメディアの制作です。抽象的な課題に、なかなか可視化のアイデアを得られず、表現方法を模索する学生の姿が見られました。また、これまでのプログラミングコンテストの作品蓄積の影響か、年々アイデアや工夫の凝らされた作品が増えてきています。今年も各クラスからノミネートされた代表作品から、教員3名による審査によって、優秀賞(ゴールド)1件、優秀賞(シルバー)4件を選出しました。次の通りご報告いたします。

受賞されたみなさん、おめでとうございます。また、惜しくも受賞できなかった方の中にも素晴らしい作品が多くありました。是非、これからも楽しんでプログラミングを続けて欲しいと願っております。

以下の受賞作品の画像をクリックすると、その作品が別タブが開きます。画面を一度クリックしてから、マウスやキーボードで操作して下さい。スマホのタッチには対応していない場合がありますので、必ずPCでご覧下さい。


【優秀賞(ゴールド)】多種多様の妖怪相談室


YokaiCounselingRoom

作者のコメント:私は、人種、性別、障害といった目で見てわかりやすい多様性だけでなく、個人の価値判断の基準や自己評価などといった細かな内面の多様性こそ尊重されるべきだと考え、この作品を作りました。ただ、「多様性を尊重しよう!」というメッセージを表示するだけでは、プレイヤーが多様性について自分で考えなおし、明日からの行動を変えることには繋がりません。そのため、皆が皆違うことをプレイヤーが自身で実感したような気持ちになれる作品を目指しました。ナレーターが存在せず、操作指示のメッセージをキャラクターが発する場面や、hour()やminute()を使用して、現実世界の時間をキャラクターが言い当てる場面、プレイヤーが心を読まれる場面、これらを通して、プレイヤーの没入感を高めました。背景や雲、キャラクターの表情などは、すべて手書きで用意しています。絵を用意する際、画面内にあるモノの視認性を高められるように、他の授業で習ったレイアウトやコントラスト比を意識しました。

作品制作の中で、障子が瞬間移動したり、どうしてもエラー表示が出てしまったりと、苦労した点も沢山ありました。しかし、この授業を通して、自分の表現したいものがどんどん作れるようになっていくのが楽しかったです。今後も学習を進めて、もっと面白い作品を制作していきたいです。


【優秀賞(シルバー)】ダイバーシティって?

What'sDiversity

作者のコメント:今回のテーマである「ダイバーシティ」からどのような作品にするべきであるか、着想に時間がかかりました。物語ではありませんが、作品を見てくださる方に対して語りかけるような表現方法を取りました。仕掛け絵本のようにひとつひとつのイラストにも注目し、操作なども楽しんでいただきたいです。この作品が、ひとりひとりの違いを認め合う社会にするための小さなきっかけとなって欲しいと考えています。

今後は更に面白い作品の制作ができるよう、プログラミングスキルの向上に励みたいと思います。


【優秀賞(シルバー)】色々な見え方

VariousWaysOfSeeing

作者のコメント:この作品は、「ダイバーシティ」というお題の中でも障がい、特に目の障がいについて取り上げました。1年生で履修した、キャリア・ディベロップメント・プログラムという授業で「ウェブアクセシビリティ」について学び、目の障がいを持つ人が意外と身近にいることを知ったことから、このテーマに決めました。全ページでなにかしらのオブジェクトを動かし、視覚的にも楽しく学ぶことが出来る様にしたところがポイントです。絵を描くことや、クイズ形式でページが進むようにプログラムすることには、とても苦労しました。この作品をきっかけに、目の障がいについての理解が少しでも深まれば嬉しいです。

シルバー受賞で悔しい思いもありますが、さらなる技術の向上を目指していきたいと思います。


【優秀賞(シルバー)】ダイバーシティについて学ぼう!

Let'sLearnAboutDiversity

作者のコメント:私は、ユーザーが選択した会話により、話を進めていくことで、ダイバーシティを知らない方にも大切さを理解してもらえるような作品を作成しました。上下に分かれている吹き出しをユーザーが選択すると、会話やスライドがそれぞれ変化する部分にも注目してもらいたいと思います。今回の作品を作成するにあたり、図形や吹き出しをクリックし、別のスライドに移動させる設定に苦労しましたが、何度も試行錯誤することで完成した作品には、達成感があります。今後も、プログラミングの授業を通して、知識や技術を身に付けていきたいと思います。


【優秀賞(シルバー)】多様性について学ぼう!!

LearnAboutDiversity

作者のコメント:「ダイバーシティを啓発する」というテーマを与えられた時、多様性についてあまりイメージが湧かず、とても難しいと感じました。そこで自分が多様性について理解を深めるところから始めました。そして学んだことを見てくださる人に少しでも伝えられるような作品を目指して制作を進めました。作品のこだわりは、「多様性」であることを重視し、何か特定のものを表す具体的なイラストをあえて多用しなかったという点です。代わりに多様性を連想させるような抽象的な図形を使って表現しました。そのほかにも余白や色の微調整、見やすいフォントを丁寧に選ぶことや分かりやすい文章を作ることに力を入れました。私の作品を通じて、多様性について理解を深めたりや多様性について考えたりするきっかけになれば幸いです。最後に、私がこの成果を出せたのはアドバイスをくれた方々のご協力があってこそのものと考えています。本当にありがとうございました。シルバーという結果でしたが、目標のクオリティに達することはできていません。これからも知識を蓄え、技術を磨いていきたいです。