今年度は、以下の本を推薦しました。

推薦する本(出版社):ダン・ブラウン「オリジン」(KADOKAWA)

「ダビンチコード」などで有名なダン・ブラウンの本作は、これまでの謎解きの路線を踏まえつつ近年発展の著しいICTに焦点を当て「われわれはどこから来たのか?われわれはどこへ行くのか」という謎に挑みます。その展開は、今後の人工知能のあり方、それが可能にするもの、人工知能を生み出した情報通信技術(ICT)と人類の関係について考えさせてくれます。読了後は、AIは何ができ何ができないのかを調べてみるとよいでしょう。

<松田ゼミ-21 前へ>

社会情報学部情報デザイン専攻の松田ゼミではヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)の研究を行っています。HCIとは、人の心理的身体的特性、コンピュータ技術、社会環境などの関係を複合的に扱い、人がコンピュータをよりよく利用するためにはどのようなデザインが望ましいかを研究する分野です。

(1)「Sigfoxを使ったIoTアイデアコンテスト」のファイナリストに選出

松田ゼミ3年の 山川祐美さんが、京セラコミュニケーションシステム株式会社の主催する、「Sigfoxを使ったIoTアイデアコンテスト」(優勝賞金50万円)応募し、プロトタイプ作成部部門で書類審査を通過し、ファイナリストに選ばれ、本選への出場が決定しました。本コンテストは、IoTネットワーク「Sigfox」を活用した、生活を「楽しく」「便利で」「快適に」するアイデアを募集するコンテストです。本選は12月に行われ、そこでは実際にSigfoxなどを用いて、提出したアイデアをソフトウエアで実現しデモ、発表します。昨年度の同コンテストでは70の応募があり、ファイナリストは10名でした。現在、12月の本選に向けて、デモ開発のためにSigfoxなどのIoTのプログラミングを学んでいます

(2)「オージス総研ソフトウェアコンテスト」に4件(6名)が1次審査通過

オージス総研が主催するソフトウェアコンテスト「焦らないソフトウェアコンテスト」(優勝賞金50万円)の第1次審査に松田ゼミ3年の、栗山真優子、宮ひかる、石井柚歩、山口菜友、矢吹真菜、山川祐美さんの6名が通りました。本コンテストは「焦らないソフトウエア」に関連するソフトウェア(ITシステム)のユニークで革新的なアイデアを募集するコンテストです。次に2次審査があり、11月に本選になります。現在、6名は2次審査に向けて、1次審査に提出したアイデアをブラッシュアップしています。

いずれも、ゼミ生が自分で考え応募したものです。今後が期待されます。

 

7月3日(水)~5日(金)に開催されました「情報処理学会DICOMOシンポジウム2019」において、市村哲先生の発表した論文が「優秀論文賞」を受賞しました。

受賞論文のタイトル
「食探-口コミ情報から手早く美味しい料理店が見つかるサービス」

受賞論文の概要
美味しい料理が食べられる料理店を手早く探すことができるWebサービス「食探」を開発した.ユーザがどのような料理が食べたいかに関する自分の希望や質問を日本語自然文で入力すると,入力文に類似した口コミが多い飲食店を抽出して,さらに,レビュー文章から抽出した料理に関する短い要約文を作成して表示する.

受賞情報はこちらの学会ページに掲載されています。
http://dicomo.org/commendation/

DICOMOシンポジウムについて
本シンポジウムは平成9年度に初開催されて以来、毎年多くの参加者が集い学術的な情報処理技術論文のみならず、事例報告、問題提起などの論文も対象として活発な議論が行われています。
http://dicomo.org/cfp/

市村哲先生(教員紹介ページ)
https://www.sis.otsuma.ac.jp/dept3/dept3_4/ichimura/

7月14日(日)に千代田校でオープンキャンパスが開催されました。お天気があまりよくありませんでしたが、大変多くの方にご来校いただきました。その時の様子を少しご紹介します。

6月のオープンキャンパスでお披露目したH棟エントランスの映像ウォール作品をブラシュアップしました。前回の反省から新たなアイデアを出し合って、みんなで修正していきました。

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中央のモニターと左右のプロジェクターの3画面同期映像を流しながら、最後の位置調整。
 

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社会情報学部3専攻の学びのキーワードをモーショングラフィックスで表現しています。
 

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いくつかパネルに映像を投影することで立体感が出るように工夫しています。
 

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専攻説明会では、情報デザイン専攻の授業の様子や就職状況などについて、松田専攻主任とロボット「ペッパーくん」の二人で説明していました。松田先生はこれまで大手メーカーでUIやUXのデザインに関わってきています。ロボットをちゃんと仕込む(プログラムする)のも、つねに「遊びゴコロ」を忘れないからだと思います!
 

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堤先生の体験授業では、みんなが知っている映画のメイキング話を混ぜながら、CGの歴史や技術について楽しくレクチャーされていました。最後には裸眼で立体視できる装置も体験できて大盛況でした。

次回は、8月3、4日(土日)の2日間開催します。教員や学生の個別相談室では直接質問もできますので、ぜひいらっしゃってください。

6月9日(日)に千代田校でオープンキャンパスが開催されました。多くの方にご来校いただき、ありがとうございました。今回の様子を少しアップします。

3専攻紹介作品

今年もH棟1Fエントランスに情報デザイン専攻中野ゼミ3年生が制作した映像ウォールを展示しました。今回は社会情報学部3専攻の学びを表現したイラストのアニメーションとキーワードが散りばめられています。制作時間は約4週間というタイトなスケジュールでしたが、なんとか間に合わせました。7月のオープンキャンパスではさらにブラシュアップして展示する予定です!

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藤村先生の体験授業では、独自に開発したWebアプリの「スペースおーたん」というゲームを実演していました。高校生のみなさんが、自分のスマホを振って大妻女子大学公式キャラクター「おーたん」を操り、ゴールを目指すというものです。競争では大いに盛り上がりました。さらに、こうしたWebアプリの仕組みの解説もあり、専攻の学びでこんなゲームも作れるんだということに驚いている様子が印象的でした。

次回オープンキャンパスは7月14日に行います。
ぜひ遊びに来てください!

オープンキャンパス2019

社会情報学部情報デザイン専攻の松田ゼミでは、2018年9月19日、地域連携プロジェクトの一環として多摩市立唐木田児童館と協力したイベントを実施しました。プロジェクトのテーマは「地域の子どもたちが体を動かして仲間と遊べるロボット中心の遊び環境づくり支援」で、児童館の子供達が楽しめるようなイベントをヒューマノイドロボット「ペッパー」を中心に行いました。

1. 地域活性化と人工知能・ロボットの活用

子どもの成長環境において「遊び」は重要な役割を果たしていますが、近年の子どもたちは少子高齢化社会やポータブルゲーム機の普及などにより多人数や多学年に渡る友だちと一緒に遊ぶ機会が年々減少しています。また社会的には、そういった人間的活動に対して人工知能やロボットといった先端技術を活用することが求められてきています。そこで本プロジェクトでは、地域の児童たちが集まりロボットを中心として多人数で身体を動かして遊べる環境を提供することで、地域児童や保護者、児童館、松田ゼミなどが連携した地域活性化を目指しています。

本プロジェクトでは、いかに児童らにロボットを受け入れられるかに重点を置き、ロボットを人間らしく親しみやすいと感じ、普段はあまり運動しないゲーム好きの子でも進んで参加したくなるようなイベントとして、3台のペッパーを中心とした全員参加型のクイズ大会を行いました。

児童館には図1のようなポスターと告知用の広報誌を作成していただき、事前の申し込み受付や参加人数の把握などを行っていただきました。
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図1 児童館の広報誌(左)とポスター(右)

2. ペッパークイズ大会開催に向けた準備

イベント開催までの準備期間には、児童館の三枝館長にアドバイスとご協力をいただきながら、打ち合わせやリハーサルなどを進めてきました。松田ゼミでは今までにも唐木田児童館と協力したイベントを行ってきています。2015年にはペッパーの「ようかい体操」、2017年にはクイズ大会の開催し大変好評でした。2017年のクイズ大会が1台のペッパーが進行していたのに対して、今回のクイズ大会は3台のペッパーがお互いに協調しながら進行していくというシステムでした(図2)。

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図2 ペッパー3台のリハーサル

3 唐木田児童館でのイベント実施

今回は40名の児童が参加してくれました。イベント当日は、最初に児童らに対して松田ゼミの紹介、ロボットについての講演(外部講師)を行いました(図3)。講演の内容は、ペッパーを含めたロボット全般が活躍している分野の紹介や、ロボットが児童らの生活にとってこれから欠かせない身近な存在でなっていくというものでした。
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図3 松田ゼミの研究紹介とロボットについての講演

その後、児童らに対してペッパー3台による全員参加型クイズイベントを実施しました。全体の流れは、ペッパーがクイズ問題を発話してカウントダウンを行い、その間に児童らが選択肢を表示している2台のペッパーのエリアに移動する形式で(図4左)、正解した児童には学生らが正解シールを配布しました。正解発表では、正解した児童らがとても喜んでいました(図4右)。

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図4 全員参加型ペッパークイズ大会の様子

クイズ問題は全部で5題出題し、発話と正解発表、児童らの移動やシール貼りなども合わせて全体では約30分掛かりました。クイズ終了後には質問タイムを設け、アンケート配布し記入してもらいました。

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図5 質問タイムとアンケート

3. アンケートの結果

アンケートの結果の一部を図6と図7に示します。ペッパー1台で進行した前年度のクイズイベントの結果を水色、ペッパー3台の協調によって進行した今年度の結果を赤色の棒グラフで示しています。これらを比べると、学年分布は前年度は低学年が多めでしたが今年度は高学年が増えています。また、男女比は前年度同様およそ2対1でした。

(c)のクイズ正当数をみると、前回同様3~4問の正解者が多いですが今回は1問しか正解しなかった人は居ませんでした。(d)のように低学年(3年生以下)と高学年(4年生以上)に分けると、前年度は高学年の平均点が相対的に低かったのにくらべ、今年度は学年を通して同程度でした。このことからも、前年度と今年度のクイズ正解数が同程度であるとみなして比較できることがわかりました。
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図6 アンケート結果1
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図7 アンケート結果2

図7右はイベント全体の評価結果です。前年度は「楽しくなかった」と回答した参加者が1名(2年女子)おり標準偏差が大きくなっていました(SD=0.9)。また、今年度は「楽しくなかった」と回答した児童は居ませんでした。割合的にはイベントを楽しかったと回答した参加者が97%以上で、前年度の85%よりも増加しました。
これらのアンケート結果から、複数のロボットが進行するイベントであっても児童らがイベントを楽しむことができたということが分かりました。

4. 最後に

今回の児童館と連携したイベントから、状況判断の部分で人間の介入が必要な箇所も依然としてありますが、複数台のロボットによるイベントの実施が可能であり、人間が行ったイベントと同様に楽しめることが分かりました。また、イベントの運用人数を前年度の3名から1名に減らすことができました。今後の課題は、複数のロボットを用いてイベントをさらに自動化することです。

今回のイベントで、多学年に渡る児童らが全員参加して遊ぶことの楽しさを再認識し、人工知能やロボットといったテクノロジーにも関心を持ってもらえたのではないかと思います。

●参加したゼミ3年生(11名):
小川真輝、加藤彩佳、工藤聖乃、佐々木悠花、中村茉由、村山文香、山下愛加、小川奈々、上倉静恵、河﨑真実、矢野琴子(司会役)

6月に続き、7月、8月もオープンキャンパスが開催されました。とても暑い日でしたが、多くの方にご来場いただき、ありがとうございました。今回も様子を少しだけアップします。

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専攻ガイダンスの様子

松田先生の専攻ガイダンスには、ロボット「ペッパー君」が登場。松田先生のペッパー君はとても働き者です!専攻の学生の普段の取り組みや就活状況など、詳しい解説に耳を傾ける受験生の姿が印象的でした。

 

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体験授業の様子

堤先生の体験授業では、実際の授業が行われるコンピュータールームで3DCG制作を体験しました。今注目されているVRやARなど、リアルな世界とバーチャルな世界を結びつける技術や、制作上の工夫について解説されていました。勉強になります!

 

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1Fエントランスの学生作品

H棟1Fエントランスホールでは、中野ゼミの学生(3年)によるプロジェクションマッピング作品を展示。壁に吊るした傘に映像を投影しました。中央ディスプレイの映像にもタイミングを合わせました。
※8月でこのプロジェクションマッピング展示は終わりになります

 

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7月、8月のオープンキャンパスは、すっかり雨もあがって、良すぎるくらいのお天気でした!多くのご来場、ありがとうございました!9月以降もオープンキャンパスは行いますので、ぜひ遊びに来てください。

 

 

6月10日(日)に千代田校のオープンキャンパスが開催されました。あいにくの雨にもかかわらず、多くの方にご来場いただき、ありがとうございました。情報デザイン専攻の様子を少しだけご紹介します!

 

専攻ガイダンスの様子

松田先生のロボット「ペッパー君」がネットワークのトラブルで不調でしたが、ペッパー君を使ったプロジェクト映像と新型AIBO(SONYの犬型ロボット)を披露してすぐにリカバー、さすがです!

 

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1Fエントランスホールでのプロジェクションマッピング展示

中野ゼミ3年生が制作したプロジェクションマッピングが皆様をお出迎え。傘なのは雨が降ったから?

 

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8Fの作品展示の様子 藤村ゼミの作品

藤村先生のスマホで楽しむVR釣竿。ハコスコで360°の映像を見ながら、手元の棒を動かすと魚がヒット!
今話題のmicro:bitとWebbluetoothを使って開発したのがポイントということらしいです!
下のリンクから詳しい解説が見られます。藤村先生がYoutuberに?
https://www.youtube.com/watch?v=nGMNKAHnCRg

 

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8Fの作品展示の様子 堤ゼミの作品

堤先生の3DCGによる立体映像。実際に見ると、キャラクターが本当にそこで踊っているように見えるから不思議です。立体映像のためのCG制作には、ライティングとかいろいろコツがあるようです。

 

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本当に多くの方にご来場いただき、ありがとうございました。
次回は7月15日(日)です。みなさん、ぜひ遊びに来てください。

 

報告者: 山下愛加(松田ゼミ 3年)

公共交通オープンデータ協議会が主催する「東京公共交通オープンデータチャレンジ」に応募し、東京地下鉄特別賞を受賞したので報告します。

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  1. 応募のきっかけ
    今回のコンテストの応募は、ゼミを通して、松田先生からこのコンテストを教えて頂いたことがきっかけです。コンテストを知ってから、公共交通オープンデータ協議会が、「東京」の公共交通を誰もがスムーズに乗りこなせるようにすることを目指し、公共交通関連データのオープン化を進めていることを知りました。私は、企画することに興味がありましたが、何より社会に出ると、公共交通オープンデータ協議会のように「誰かのために何かを考えること」はとても大切なことでやりがいも感じられると思ったので、応募することにしました。
  1. コンテストの内容と開催概要
    東京公共交通オープンデータチャレンジは、首都圏の様々な公共交通機関のデータを公開し、「東京」を応援するアプリケーションやアイデアの募集するコンテストでした。アプリケーション部門とアイデア部門がありましたが、私は、公共交通オープンデータを活用した新しいアプリケーション、サービス、ビジネス等のアイデアを募集する「アイデア部門」に応募しました。主催: 公共交通オープンデータ協議会
    共催: INIAD cHUB(東洋大学情報連携学部 学術実業連携機構)、東京大学大学院情報学環ユビキタス情報社会基盤研究センター、CPaaS.ioプロジェクト
    特別協力: 東京地下鉄株式会社、東京都交通局、東日本旅客鉄道株式会社
    協力: 小田急電鉄株式会社/京王電鉄株式会社/京成電鉄株式会社/京浜急行電鉄株式会社/ 西武鉄道株式会社/東京急行電鉄株式会社/東京臨海高速鉄道株式会社/ 東武鉄道株式会社/株式会社ゆりかもめ/小田急バス株式会社/関東バス株式会社/ 京王電鉄バス株式会社/ジェイアールバス関東株式会社/西武バス株式会社/ 東急バス株式会社/西東京バス株式会社/全日本空輸株式会社/ 東京国際空港ターミナル株式会社/成田国際空港株式会社
    オープンデータ・パートナー 一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構(VLED)、国土地理院、気象庁、文化庁、公益社団法人 全国公立文化施設協会
    後援: 内閣官房IT総合戦略本部、総務省、国土交通省、東京都、気象ビジネス推進コンソーシアム
  1. 応募内容

・応募タイトル:「各駅の魅力を知ることが出来る電車内窓ビジョン広告」

・応募作品の説明: 現在、電車は日本を代表する交通機関の一つです。多くの人が利用する交通機関だからこそ電車は非常に効果の高い広告媒体ですが、現在はポスターなどの静的広告が多く、動きによって宣伝効果を高める動的広告は数が少ないのが現状です(図1-1)。また、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、世界中から色々な国籍、年齢、職業、身体特性を持つ方が、東京を訪れるために電車を利用します。そこで、「東京の駅の魅力を知ってもらうこと」を目的に、電車の窓を使った「窓ビジョン広告」を提案しました。

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1-1 現在の電車

「窓ビジョン広告」は、図1-2のように電車の走行中に車両の窓全体に、次の駅の人気観光スポット(渋谷のスクランブル交差点など)が写真で前から後ろへ流れるように映し出されます。


1-2 窓ビジョン広告(スクランブル交差点)

写真はInstagram、Twitterなどで募集し、日替わりで投影します。また、通学・通勤者が多い朝の限られた時間帯では、図1-3のようにお店の当日限定クーポンを窓に流し、そのクーポンを写真に撮ってお店で見せることで割引がされます。

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1-3 窓ビジョン広告(お店のクーポン)

本提案により、大画面での投影によって大きなインパクトを与えられるだけでなく(図1-4)、観光や通勤・通学に楽しさも加えられると思います。また、『世界一複雑とも言われる「東京」の公共交通を誰もがスムーズに乗りこなせるようにすること』の手助けをすることが可能になると思います。

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1-4 吊革に捕まった時の目線から見た写真の大きさ

コンテストの経緯は以下の通りです。
2017/12/27 企画することに興味があると、ゼミ面談で松田先生にお話しました。
2018/1~3  松田先生にコンテストを教えてもらい、アイデアを考え始め、アイデアの内容について相談にのってもらいました。
3/13  コンテストへ応募しました。
4/23  メールで入賞結果をいただきました。
5/15  表彰式とレセプションパーティーに出席しました。

  1. 「窓ビジョン広告」に込めた思い
    今回提案した「電車内窓ビジョン広告」は、自分の日々の生活から考えたものです。応募するにあたってアイデアを考えていたある日、私が通学のために利用した電車の中で、電車内は多くの人が乗っていて、色々な人が同じ場所で、それぞれの気分で過ごす特別な空間だと思いました。幸せな気分の人はより楽しく、たとえ辛い気持ちであっても、電車に乗って幸せな気分になれる素敵な広告があるといいなと思い、窓ビジョン広告の考えに至りました。次に降りようとする駅がある時、目的とする駅の魅力ある写真が窓を流れる広告は、きっと誰もを幸せな気分に出来るのではと思います。また、本提案により2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、世界中から多種多様な国籍、年齢、職業、身体特性の方が、東京を訪れるために、多くの人が幸せな気分になれるのではないかと思います。これらの私の思いが伝わってくるような広告として提案が出来ていたらとても嬉しく思います。
  1. 最後に
    今回のコンテストは、私以外の入賞した方々の作品の驚くようなアイデアにとても刺激を受けました。また自分以外の考えを知ることは、とても勉強になりました。途中、自分に自信が持てず不安に思ったこともありましたが、松田先生をはじめとする応援し支えてくださった方々のおかげで、まだまだな私でもここまで進むことが出来ました。これからも様々なことに挑戦し、諦めず頑張っていこうと思います。本当にありがとうございました。

報告者: 植田智恵美(松田ゼミ)

卒業研究として行った「ARを用いた「見て操作する」システムの試作と評価」を、3月15日、早稲田大学で開催された第80回情報処理学会全国大会で発表し、学生奨励賞を頂きましたので報告します。受賞理由は以下です。

  • 家電機器を操作する研究は今後重要である。
  • 実装から評価までをしっかり行っている。
    15210993921760gazeAward

論文はこちらをクリックしてください。

1.情報処理学会に関して

情報処理全般にわたる分野の調査・研究を目的とした学会で、全国大会は情報処理学会が年1回(春季)開催する学会最大のイベントです。大会では最新の学術・技術動向や情報に関する新しい研究成果やアイディア発表を通し意見交換・交流が行われます。

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2.発表内容

今日、電化製品を含む様々な機器がIoT化されつつありますが、機器の操作方法は機能・設置場所に応じ様々です。例えば、天井の蛍光灯の照明はスイッチが操作対象(照明)と離れた場所にあり、どのスイッチがどの照明を制御するか分かりにくい、また、操作対象にスイッチがついている電気スタンドなどでは、手の届く範囲にない場合、スイッチを消しに行く必要があります。

このような不便さを解決する方法として、リモコンがありますが、リモコンは置いた場所を忘れたり、複数個使用していた場合は、電化製品ごとにリモコンを判断して使い分けるという使用上の負荷が生じます。今後、ARの発達に伴いHoloLensのようなカメラ付きのシースルー型の眼鏡の普及が予想される中、本研究では、これまで提案してきた「見て操作する」方式を、ARを用いて開発したシステムを使用して実験を行い、評価しました。

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本システムは、Processingで開発し、AR用ライブラリとしてNyAR4psgを使用、電化製品の操作にはArduinoに赤外線LEDを搭載して用いました。本システムを起動し、電化製品に付けたマーカを認識するとタブレットの画面にカメラに映った電化製品とその操作ボタンが表示され、それをタッチすることで機器のON・OFF操作ができます。様々な機能の付いた機器では、各機能に対応するコントロールを表示し、制御する機能を持ちます。

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本システムの評価は、20名の本学の学生を対象に、本システムと複数のリモコン、学習リモコンを用い3つの照明器具を制御する実験を行いました。実験では、それぞれの試行における操作時間を計測し、最後に使い易さや操作に関するアンケートを行いました。

実験の結果、3つの器具の操作にかかった平均時間は、本システム(15.2秒)が最も短く、次いでリモコン(16.5秒)、学習リモコン(71.65秒)となりました。

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この結果から、本システムとリモコン、本システムと学習リモコンの操作時間に関してt検定を行ったところ、本システムとリモコンとでは有意差は認められませんでしたが、学習リモコンとでは有意差が認められました。一方、本システムとリモコンとでは有意差が認められなかった原因は、今回の実験ではリモコンを手元に並べた状態でON・OFF操作だけを行ったためと考えられ、様々な種類のリモコンが散在していたり、他の機能を操作する実環境では差が出るものと考えられます。

また、アンケートの結果から、3つの操作方法(本システム、複数のリモコン、学習リモコン)の中で本システムが最も使い易かったと80%が感じており、ユーザー体験としては良好なものであることが分かりました。

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以上より、「見て操作する」方式を使用した本システムは、他の方法と比べ最も早く操作出来た人が多く、アンケートからも被験者に受け入れられる可能性が高いということが分かりました。今後の予定としては、本実験では簡易評価のため視覚的なマーカと赤外線による機器操作を用いましたが、マーカは、赤外線マーカなど目に見えないものに変更、機器の操作もIoT化を前提にネットワーク経由で行えるようにすることなどがあげられます。また、ネットワーク上に機器の状態管理サーバを置くことで、複数の人が同一機器を操作したしたときに機器の状態をUIに反映することが可能となります。

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3.
発表に関して

全国大会当日は、午前の部で発表を行いました。初めての学会発表で、私が参加したセッションの中でもトップバッターだったということもあり、とても緊張しましたが、無事に発表を終えることができました。発表後3人の方から質問、コメントをいただきました。

  • 複数の電化製品のマーカが画面の中にあった場合はどうなるのか?
  • 最終的にはHoloLensのようなHMDで研究をするのか?HoloLensにはこのような研究を行うのに適したライブラリがある。
  • 被験者は学習リモコンを使ったことがあるのか?無い場合は、練習はしたのか?
  • Sonyが出しているタッチパネル型の学習リモコンで評価するとよい

等の質問以外にも、新たなアイディアや知識も得ることができ、とても充実した15分間となりました。

4.終わりに

3年次の後期から本研究を始め、システムの制作で思い通りにいかないこともありましたが、ご指導をいただきました松田晃一教授、非常勤講師の永田雅人先生、実験やアンケートに協力して下さった松田ゼミのメンバーをはじめ多くの方々の協力によって、今回の発表を成功させることができました。発表後、他の大学の方々から面白い研究だったというお言葉をいただき、評価していただけたことを非常に嬉しく思います。また、他の大学の方の研究も聞くことができ、視野を広げることができました。このような素晴らしい経験をさせていただきありがとうございました。この経験は今後の生活の中でも活かしていきたいと思います。