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中野ゼミではアートやデザイン、地域の文化に触れることを目的に毎年ゼミ合宿を行っています。2014年夏は香川県の瀬戸内海に浮かぶ直島(なおしま)と豊島(てしま)を訪れました。近年、瀬戸内海は、3年ごとに開催される「瀬戸内国際芸術祭」や美術館の影響で現代アートの聖地として世界に認識されつつあります。今回は残念ながら芸術祭期間ではありませんでしたが、それでもこの小さな離島に国内外から多くの訪問者がいるのには驚きました。

1日目は、高松からフェリーで「直島」を訪れました。安藤忠雄設計の「地中美術館」「ベネッセハウスミュージアム」や、島の人々が暮らす地域に点在する古民家などを改修してアーティスト達が作品化した「家プロジェクト」などを巡ることができました。

2日目の「豊島」では、レンタル自転車(坂が多いので電動!)で島に点在する作品を巡りました。途中、慣れない自転車のため、レンタル屋さんに少しだけ荷台に乗せてもらう…なんていうハプニング(楽しみ)もありました。

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棚田を望む小高い丘にある「豊島美術館」では、どこからともなく水滴が湧き「泉」をつくっては地面を流れて消えていく内藤礼と西沢立衛による作品「母型」を体験しました。ゆっくり流れる時間のなかで自然の微細な変化を感じ取る貴重な体験をすることができました。

印象的だったのは、帰りのフェリーで隣に座った人から豊島の土壌汚染(1975年から16年間もの間に産業廃棄物を不法に投棄する島にされていたという、いわゆる「豊島事件」)について、貴重な話を聞けたことです。今では世界でも指折りのアートリゾート地になったこの小さな美しい島ですが、かつては経済成長による暗い影を落としていました。豊島はいまでも毎日汚染土壌の処理が行われ作業員がフェリーで通っているのです。

豊かな瀬戸内の自然と島の歴史、多くのアートに触れた2日間は、ゼミ生にとって大変貴重な体験になったのではないかと思います。また訪れたい場所になりました。

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<ゼミ生の感想>

今回の合宿で様々な作品を観て、今後の糧となる多くのことを感じることができました。直島のベネッセハウスミュージアムに展示されていた、ブルース・ナウマン「100生きて死ね/100 Live and Die」が特に印象に残りました。ブルース・ナウマンについて調べたところ、人間が存在するためには生の対立項である死や不安がなくてはならないという不条理を突き詰めるアーティストであると述べられていました。この作品も様々な言葉がLIVEと DIEの対のかたちで100つづられていて、それがよく表れているように感じました。使われているものはネオン管灯ですが、作品を観た時間帯的にも明るく、広々としたコンクリートの無機質な空間に展示されていたので、それがより作品を俯瞰して観させてくれているように感じ、とても好きな空間でした。その空間だけでなくタイトルにも惹かれました。死ねという言葉を使うことや作品の雰囲気などに、一般的に使われる綺麗とはまた別の美しさを感じます。タイトルを見てから正面の椅子に座って作品を眺めているとき、小劇場演劇を観た後の、強烈な何かが確かに残っているけれどふわふわとした感覚と同じような気持ちでした。小劇場演劇も一般的な「綺麗」では決してないけれど、それが描く生や死、不条理さにはどこか人の美しさがあります。その美しさを、小場演劇ではないもので初めて感じられたので、この「100生きて死ね」という作品は私にとって大切なものとなりました。 他にも様々な作品を観てそれぞれに違った感情を持ち、今まであまり関心を持っていなかったアートというものに興味が湧きました。この約二日間は私にとって本当に濃いものでした。今後も様々な方向に興味の幅を広げていけたらと思います。(S.U.)

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ベネッセハウスミュージアム「100生きて死ね/100 Live and Die」(ブルース・ナウマン)

 

<ゼミ生の感想>

今回のゼミ合宿で一番印象に残っているのは豊島美術館の「母型」です。外壁はコンクリートでできていて、内部は二ヶ所の開口部があり、床の所々からは水が湧き出しています。たったこれだけなのですが、入った瞬間から空気が違うような気さえしました。開口部からは、光や音が取り込まれ、静寂の中で島の自然の音が響き、湧き出している水は、本当に生きているかのように姿を変えて流れて行きます。偶然だと思いますが、開口部から光が漏れて照らされている中で、ヒラヒラと蝶が舞っているのがとても印象的に残っています。時間の流れを感じさせず、日常の生活から離別したようで自然と同調している、不思議だがどこか安心する本当に穏やかな時を過ごすことができました。まさに母型と言うタイトルがピッタリだと思います。時間があれば、寝転んでずっとここに留まりたかったです。また、この作品は、思い思いに好きなように鑑賞している人や、島の自然、すべてが融合して一つの形になっているのだと全身で体感することができました。たくさんの作品を見て回る今まで訪れた美術館とは違い、作品を全身で感じることができる、いい意味で今まで訪れたことのない美術館でした。(S.F.)

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豊島美術館「母型」(アーティスト・内藤礼+建築家・西沢立衛)

デザイン専攻の2年生の後期に開講されている「プログラミング論及び演習」という授業を紹介します。この授業は2013年度まではC言語を使っていましたが、2014年度からは、近年利用が広がっているJavaScriptに変更し、Web技術の基礎を学ぶ授業にしました。JavaScriptは、Webブラウザ上で実行可能な言語ですので、Windows、Mac、iOS、Androidによらず実行できること大きなメリットです。さらに、HTML5の普及によりOSの基本機能が利用可能になり、3DCGやゲーム等を含む、あらゆる分野のアプリが制作できるようになったため、JavaScriptは、ますます重要となっていくでしょう。

本年度は、JavaScriptの基礎を学んだ後、jQueryライブラリを活用して対話的なユーザインタフェースの制作方法を学びました。そして最後の4回では、enchant.jsライブラリを活用してJavaScriptで動くゲーム作品を制作しました。以下に制作したゲーム作品を紹介します。以下の2つの作品は特に完成度の高さが際立つ優れた作品でした。画像をクリックすると、別ウインドウが開き、HTML5対応のChrome、Firefoxで閲覧した場合にはマウスで操作することができます。

※「メモリー」はスマートフォンでも動作しますが、他の作品はキーボード(矢印キー)が必要ですのでPCで操作して下さい。

【最優秀賞】メモリーprog2014_memory

【優秀賞】忍者を入れるな!prog2014_sengoku

また、以下の3作品は、惜しくも優秀賞とはなりませんでしたが、楽しめる作品でしたので、紹介致します。

ハートを集めて♥prog2014_usagi

宇宙サッカーprog2014_space

りんごをゲットprog2014_apple

この授業を受講した2年生の皆様、3年生からはWebプログラミング、アルゴリズム論及び演習、オブジェクト指向プログラミング論及び演習、画像処理論及び演習、情報処理応用論及び演習など、プログラミングを学べる授業がたくさんありますので、引き続きプログラミングを楽しんで下さい。

情報デザイン専攻では、はじめてプログラミングを学ぶ1年生向けに「プログラミング入門」という授業があります。この授業では、図形やアニメーションを描きながら、楽しくプログラミングを学ぶことができるProcessingと呼ぶ言語を使用しています。

今年度も昨年の第1回コンテスト同様、最後の3回の授業時間を使ってプログラミングコンテストを実施しました。今年のコンテストのテーマは「流れ」としました。「流れ」には「水」や「空気」などの液体や気体の流れはもちろん、「自動車」や「お寿司」などの物の流れ、さらには「時の流れ」などもあり、独創的なアイデアが生まれるのを期待したからです。また、「流れ」にはアニメーションなどの動的な表現が求められるため、プログラミング技術が高められるということも狙っています。

Processingで作成された作品は、processing.jsというライブラリを使うことにより、Webブラウザでご覧いただくことができます。最後の授業では、各自が制作した作品をWebサーバにアップロードして、各クラスでプレゼンテーションを行いました。さらに4クラスに分かれて制作しておりましたので、他のクラスの作品を含めて鑑賞し、学生自身に気に入った作品を投票してもらいました。 この学生の投票と、授業を担当する4名の教員の評価を合計して、以下の4作品が優秀作品として選出しましたので、本日ここで発表します。おめでとうございます。下の画像をクリックすると、別ウインドウが開き、HTML5対応のChrome、Firefox等(IEはバージョンによってNG)で閲覧した場合にはマウスで操作することができます。

【最優秀賞】proc2014_robot

ロボット工場における流れ作業を美しく表現しています。背景画像の完成度が素晴らしいですね。

【優秀賞】 proc2014_balloon

ゆっくりとした空気の流れを気球で表現しています。クリックし続けると気球が上がります。

【優秀賞】proc2014_clock

時の流れを表現しています。中央部分のドアをクリックし続けるとドアが開きます。

【優秀賞】proc2014_season

季節の流れを美しく表現しています。右矢印キーで速度が変わります。

 

これらの作品を作られた学生には、後日、「第2回プログラミング入門、プログラミングコンテスト」にふさわしい素晴しい副賞(?)が渡されることになっております。今回、惜しくも選ばれなかった学生の中にもたくさんの素晴しい作品がありました。今後もプログラミングを楽しんでいただければと思います。さて、来年のテーマは何にしましょうか?

追記

「季節の流れ」を制作した学生の感想:自分の作品が優秀賞をいただけてとても驚きました。プログラミングに関しては初心者でしたが、授業で学んだ知識を形にしたものが評価していただけたのは嬉しいです。プログラムが思ったように動かずに悩んだり、書き直したりしたのは大変でしたが、解決策や代案が思いついたときの喜びも多かったのでとても良い経験となりました。時間や技術の問題で、妥協したところもありましたし、別の作品(ゲーム要素の強い物)も作ってみたいと思っているので、これからもプログラミングの勉強を頑張っていきたいです。(T.N.)

ゼミ生が夏合宿についてまとめてくれました。すっかりアップが遅くなってしまい、ごめんなさい。。

(報告:K.K.)

宮崎ゼミでは2014年8月24.25日で熱海で、ゼミ合宿を行いました。

熱海の夜景

1日目は、到着が夕方ごろになり、ほとんどの観光名所が閉館してしまっていて、熱海のメインビーチまで散歩をしました。

天気はあまりよくなかったですが、風が気持ちよくて良い気分転換となりました(^-^)

宿へ戻り、食事を済ませ、露天風呂の温泉に入り、熱海を堪能しました。

温泉を上がった後はゼミ生と先生で色々な話をして深夜まで盛り上がりました。

 

2日目は、朝早くに起き、熱海城へいきました。

熱海城

 

 

 

 

 

 

 

 

熱海城では、トリックアートの展示場があり、このゼミで学んでいる、認知科学、視覚の錯覚など、身近に感じ取ることができました。

色んな面白い写真が撮れ、とても楽しかったです(^-^)

トリックアート

トリックアート2

 

 

 

 

 

 

 

 

バーベキュー

そのあと、山の中にあるBBQ場へ行き、BBQをしました。
とても山奥にあって、不思議な所でした(笑)が、お肉も野菜もとても美味しくて、大満足でした^ ^

帰りの車の中では皆疲れていたのか、皆爆睡していました(笑)
とても有意義な旅行となりました。

企画してくれた合宿係の幹事2人、先生、ありがとうございました。
良い経験となりました^ ^

 

 

 

<ゼミ生の感想>

今回、宮崎ゼミは熱海で夏合宿を行いました。1日目は海辺を散歩してから熱海城に行ったら、閉館していて入れなかったりと(笑)ハプニングもありました。その日の夜は温泉に入って先生に持ってきていただいたおすすめのお酒を飲みながら、ゼミ生と先生を含めてみんなで人生や恋愛、時には哲学的な話などたくさんの話をしました。普段のゼミではなかなか時間もなくて、みんなで話をする機会がなかったな〜と思ったのと同時に、みんなの考え方やアドバイスが身に染みてとてもいい夜になりました。そして次の日はトリックアート展を見てからBBQをしました。先生が作ってくれたじゃがバターがとても美味しくて今でも鮮明に覚えています(笑)私はこの2日間、熱海を楽しみ尽くすことができたと、今これを書きながら改めて思いました!先生とゼミ生のみんな、ありがとうございました。(S.N.)

<ゼミ生の感想>

熱海駅に早く着きすぎたので駅周辺の商店街を散策しました。五木みどりさんの店があるのを知っていましたが、行かずに近くの蜂蜜専門店でゆずはちみつのかかったソフトクリームを食べながらメンバーを待ちました。はちみつのさっぱりとした甘さは美味しく、はちみつの甘さに飽きたらソフトクリームを多めに口に入れてぺろりと完食です。トリックアート展では楽しく錯覚を学びました。錯覚と分かっていても騙されるアートが多く、人間の不思議が味わえました。錯覚を用いているので普段は撮ることができないような面白い写真が撮れたので、SNSのアイコンにしようと思います。バーベキューでは空が怪しかったときもありましたが、晴れたので無事に終了できました。マシュマロをいかに焦がさず、とろとろにするかの技量がとわれましたがみんな上手に焼けました。美味しい、楽しい2日間でした。ありがとうございました。(A.K.)

 

「地理情報システム(GIS)とともに」東明佐久良 教授

 

このたび、14年にわたり大妻女子大学で教鞭をとって参りました社会情報学部 東明佐久良教授が定年を迎えられ、2015年3月31日をもちまして退職されます。

つきましては、社会情報学部と情報デザイン専攻が中心となり、下記日程で最終講義「地理情報システム(GIS)とともに」を行います。どなたでも聴講いただけますので、ぜひご出席くださいますようお願い申し上げます。

 

開催日| 2015年2月17日(火)
場 所| 大妻女子大学 多摩キャンパス
時 間| 14:00〜15:30 最終講義(会場:社会情報学部棟3階6320教室)

問い合わせ先| 大妻女子大学社会情報学部情報デザイン専攻  TEL:042-339-0036(第二共同研究室)

 

東明教授最終講義ポスター

<松田ゼミ-3 前へ>

良い雰囲気の席では、正客だけでなく詰や寄付の方にまで亭主の目と心が行き届いているように感じます。水屋やお運びの人たちもまたそれぞれに席中の様子を窺い、心のこもった一椀を出して下さいます。そうした茶会に招かれたとき、私は本当にうれしく思います。良い道具を持ち、それについて上手に説明することだけがお茶ではありません。席に貼られた全ての方に亭主の思いが伝わり正客や連客と心を通わせてこそ、一座建立なのです。

手前に学ぶ 千宗室
淡交タイムズ、2011年1月号

近年ITの世界ではユーザエクスペリエンスが重要視されています。ここでは筆者の研究分野の1つであるユーザエクスペリエンスとは何かについて説明してみたいと思います。

ユーザエクスペリエンス=ユーザ体験、顧客体験

ユーザエクスペリエンスとは、ユーザ体験、顧客体験ともいい、情報提示画面を持つすべてのコンピュータ機器がユーザに与える体験を指します。実際には、画面が無くても体験は与えられますが想像しやすくこう書きます。ユーザエクスペリエンスとは、個々の画面内の要素やその振る舞いではなく、コンピュータ機器やコンピュータを通したWebサービスなどを使用した時、使い終わった後、使い続けた際に得られる体験の総称で、どのような体験をユーザに与えるかが重要であり、それに基づいて使い勝手(ユーザビリティ)やサービスを設計する、という考え方です。

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優れたユーザエクスペリエンスを与えることで、ユーザに高い満足感をもたらし、製品やサービスの競争力を飛躍的に高めることができます。ユーザエクスペリエンスという言葉はApple社が初めて使ったと言われています。iPodやiPhoneはユーザエクスペリエンスの象徴的な製品であり、Amazonはその象徴的なWebサービスなのです。また、ディズニーランドも来園したゲストに素晴らしい顧客体験を与えるエンターテインメントサービスなのです。

経験経済

では、なぜこのようなユーザエクスペリエンスが重要視されてきたのでしょうか?これまでの機能中心だったITの世界の製品やサービスが、このような体験を重視したものに移行してきている理由の1つには経済的な背景があると言われています。以下の図は、パインとギルモアが書いた「経験経済」という本から引用したものです。経済価値がどのように進展していくかを表しています。

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この図から分かるように、経済は、競争原理のもと変化していきます。最初は、コモディティを売る、次は、製品を売る、サービスを売る、という方向へ移行していき、コモディティ化を避けるため差異化となる新しい価値を作り出すことで成長していきます。ここで、コモディティとは一般化したため差別化が困難となった製品やサービスのことをいいます。このコモディティ、製品、サービスに次ぐ第4のレベルの「商品」が「経験」なのです。

例えば、コーヒーを例に考えてみましょう。コーヒーの場合は、まずはコーヒー豆を豆のまま売る、というところから経済が始まります。その後、コーヒーを淹れる手間を省くことで価値を高め、粉末のコーヒーにして売るといふうに経済がシフトし、次には喫茶店でコーヒーを出しサービス化します。この状態は長く続きましたが、ここで新しいパラダイムが登場します。他の喫茶店とは違う独特の空間(体験)を提供する「スターバックス」です。スターバックスは「The 3rd place」という言葉に表されるように、第3の場所を経験として提供する喫茶店なのです。元は同じコーヒーなのに、違う「体験」を用意することで高い付加価値を与えられるということを示します。

ITの世界でのソリューション

これと同じような現象がITでも起こってきています。機能がてんこ盛りで使った体験がよくないIT機器よりも、機能は少ないが使った体験のよいIT機器の台頭です。Apple社の音楽プレーヤiPodがそのよい例でしょう。iPodは発売当時、音質的にははるかに劣る音楽プレーヤでしたが世界を席巻しました。ユーザエクスペリエンスが優れていたのです。

つまり、新しい差異化要因として、そのサービスやアプリケーションを通してユーザが経験する体験そのものが重要な時代になったのです。前書によると、「エクスペリエンスの価格はコモディティや製品の数十倍から数百倍」とも言われています。ユーザは体験により多くの価値を見いだし、その対価を払うのです。以前トヨタのトップマネジメントの方がおっしゃっていて興味深かったものに「走れば、走るほど、空気が綺麗になる車をつくりたい」というのがありました。これもユーザエクスペリエンス近い考え方であると思います。

ユーザエクスペリエンスの実現には、メカニズムを実装する開発者とプレゼンテーションレイヤーで人を感動させるデザイナの共同作業が必須です。そこに求められるのは、ユーザとしての観点からの情報のデザインであり、一種の舞台演出です。自分ではなく、「相手の立場」からものが見れるかが大切です。もちろん、デザイン手法やデザインする人そのものの質的転換も必要です。特に、家電機器などで機能がこれだけ複雑化してくると、背後にしっかりした情報デザインの論理的な構造が必要となります。論理的な構造の設計はエンジニアが手慣れており、情動的なデザインはデザイナが優れています。デザイナとエンジニアが共通言語を持って機器のデザインと開発を混在して進める、そのようなチームが今後ますます増えるでしょう。最近の製品は静止した「絵」ではなく流れていく「演劇」(ある時間軸の中で、どんどん変わっていく)になってきていると思います。そこで必要なのは劇全体の「演出家」だと思います。まずは全体を見て演出する人がいて、個々のシーンのアートディレクションがある、というやり方、綺麗な絵が書割的に1つだけある、というつくり方ではユーザエクスペリエンス的に見てももう時代にそぐわなくなってきているのかもしれません。

その先にあるもの

ユーザエクスペリエンスの先には何があるのでしょうか?個人的には、経験経済の先にあるものは、ユーザ自身の「変容・変革」だと考えています。以下の図が示す経済価値の第5のレベルです。これはいくつか兆しが出てきています。体験を超え、ユーザそのものを変容・変革するものやこと、それが次世代のユーザエクスペリエンスでもあるのです。そして、もう1つ体験として今後重要になっていくものが生活体験 ( Life Experience ) でしょう。エンターテインメントから生活そのものの体験への移行、そしてその質の向上なのです。

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<松田ゼミ-2 前へ>

報告者: 大久保、小川(情報デザイン専攻/松田ゼミ)

松田ゼミに所属するゼミ生(大久保、小川)は、卒業研究として「小学生を対象にしたゲームの作成」に関する研究を行っています。今回は、研究の一環として、小学4~6年生を対象に実際にゲームを作成させてみて評価する実験を行いました。これは、夏に多摩市立唐木田児童館のご協力のもと行った予備実験に引きつづくもので、今回は、11月19日と11月21日の2日間、行ってきましたので報告します。

今回も、夏の予備実験に引きづづき、「Pixel Press Floors」というプログラミングすることなく「スーパーマリオ」のような横スクロール型ゲームの作成ができるiPadのアプリケーションを用いて行いました。

Pixel Press Floorsとは

Pixel Press Floorsとは紙と鉛筆だけでゲームを作成することができるアプリケーションです。ゲームの作成方法は簡単で、次のように専門の用紙に鉛筆で記号を書き込み、それをiPadカメラで撮影することでゲームを作成することができます。作成したゲームはそのままiPadで遊んでみることができます。

ここで×のついた四角形や十字のマークがゲームに登場するブロックやコインといったアイテムになります。これをiPadのカメラで撮影すると以下のようなゲームになります。

実験風景

当日は、まず私たちからPixel Press Floorsに関してを30分くらい紹介し、Pixel Press Floorsを使った簡単なゲームの作成方法を実演してみせました。その後、参加してくれた数名の児童に専用の用紙とiPadを配り、1時間くらいゲームを作成していただきました。

夏の予備実験では4名の小学4年生、今回の実験では、参加してくれたのは小学6年生が1人、小学5年生が7人で、全部で合計12人の児童を対象に実験を行うことができました。

上の写真は、左側の写真が、専用紙に意味のある記号を描き込んでいる様子で、右側の写真がそれをアプリ内にあるカメラ機能で読み込みゲーム化し、自分で作成したゲームを遊んでいる様子です。児童たちは、自分の描いたステージがゲームとなり自由に動き出せることにびっくり仰天している様子でした。以下に、実際に児童が作成したゲームのデザインとその結果作成されたゲーム画面を示します。

このデザインから作成されたゲームが以下です。背景やブロックの色などは自分で指定することができます。

 実験結果

本実験をとおして小学生であっても複雑な記号の意味を理解して、使いこなし、意味のあるゲームを作成することが可能であるということが分かりました。最もたくさん記号を使って作成されたゲームは、約1200個以上の記号を用いた複雑なものでした。また、実際に作成して通れない箇所ができてしまった場合に、もとのデザインに戻って修正するという、ゲーム作成で重要なデバッグ(プログラムの間違い)をする児童がいることも観察することができました。これらのことから、小学生であっても適切な道具を与えれば複雑なゲームを作成したり、それの間違いを修正したりすることも可能なことが分かりました。

また、最後に集計したアンケートからは、参加してくれた児童たちからは次のような感想をいただきました。

  • 自分でゲームを作るなんてやったことがなかったので、体験できてよかったです。
  • 思った以上に簡単でやりがいもあって、面白かったです。
  • 今回以上に難しく、バクダンや壊せるブロックを使いたいです。

上手に操作しながら楽しく作成している様子にホッとしながら、「とてもおもしろかった」という評価に私たちも大満足していました。

終わりに

4年生になりPixel Press Floorsの研究を始め、就活などで一時期大変な時期もありましたが、なんとかここまでたどりつくことができました。後は卒業論文を書き上げるだけです。今回の実験は、児童館を紹介して頂いた大妻女子大学社会情報学部情報デザイン専攻の炭谷先生、夏の予備実験に続き、2日間も唐木田児童館の三枝館長始めスタッフの皆さんのご好意とご協力で実現しました。ここに厚く御礼申し上げます。

 

『多摩キャンパスから、千代田キャンパスへ』

大妻女子大学は千代田キャンパス再開発に伴い、社会情報学部の履修キャンパスを多摩キャンパス(東京都多摩市)から千代田キャンパス(東京都千代田区)へ順次移転することになりました。(予定)

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来年2015年4月の社会情報学部入学生は、1年次から3年次までの3年間は多摩キャンパスで、4年次は千代田キャンパスで学びます。
なお、2017年4月以降の入学生は、1年次から4年次までの4年間を千代田キャンパスで履修することになります。

※詳しくはこちらをご確認ください PDF 号外 大妻からあなたに伝えたいこと。

 

 

7月27日(日)多摩キャンパス第2回オープンキャンパスが開催されました。多くの方がご来場いただくことができました。ありがとうございました。

当日は、学部学科ガイダンス、入試総合ガイダンス、個別相談、在学生からのアドバイス、キャンパス見学の他、午前に松田先生による近年劇的に変化する人とコンピュータの間(ユーザインタフェース)について、また、午後からは堤先生による計算された図像である3次元コンピュータグラフィックスについての体験授業も行われました。

今後のオープンキャンパスでも情報デザイン専攻の多彩な教員による様々な体験授業が行われる予定ですので、ぜひまた遊びにきてください。

次回の多摩オープンキャンパス(社会情報学部・人間関係学部・比較文化学部)は8月10日(日)に開催します。
皆さまのご来場をお待ちしています。

<松田ゼミ-1 >

報告者: 池田綾子、浦川真由(情報デザイン専攻/松田ゼミ)

松田ゼミの池田と浦川は、2014年3月末(まだ、2年生)に応募した福井県鯖江市による電脳メガネARアプリコンテストの1次書類審査に通過し、4月26日に福井県鯖江市で行われた公開審査会に参加してきました。その結果、応募総数108件の中から第3位のセイコーエプソン賞を頂きました。このコンテストは、電脳メガネを使用したARアプリケーションで、鯖江市と連携でき、かつ、近未来を感じ、市民生活の向上につながるアプリまたはその企画を募集し賞を与えるものです。詳しく鯖江市のホームページを参照してください。また、本コンテストの内容は、ASCII.jpでも記事が公開されています。発表に使った資料などはこちらを参照してください。

コンテスト

 

1. ARって何?

ARコンテストのARってなんでしょうか?これは、Augmented Reality(オーグメンテッド・リアリティ・拡張現実)の略で、実世界など、人間がありのままに知覚する情報に、デジタル合成などによって作られた情報や映像重畳表示したりすることで付加し、人間の現実認識を強化する技術のことを表します(引用:http://kotobank.jp/word/AR)。例えば以下の写真の場合、PostPetのももちゃんがARで表示された映像です。これはSonyのSmartARを利用しています。

モモAR

2.アイディア出し

応募にあたっては、まずARについて勉強し、春休みから話し合いを始め、二人でアイディアをできるだけたくさん出す、というところからスタートしました。二人で、こんなものがあったら楽しい!便利!それもいいね!と、楽しんで意見を出し合いました。その結果、私たちは以下のアプリを作ろうと意見がまとまりました。

「台所で料理をしていて疑問点が出来たときに、メガネを通して隣のマーカー(ARの映像を表示するための特定のパターンを持った図形のこと)を見ると、ARの先生の映像が現れて、手順や材料、分量等を実際に見ることが出来るアプリケーション」です。

Cooking

1次審査は書類審査でした。今回のコンテストは、応募総数121件で、私たちが応募した企画部門が108件、1次審査を通過し2次審査にすすめたのが11件でした。2次審査はプレゼンです。

3. 2次審査に向けて

1次書類審査の結果が4月の上旬に来てからの2週間は、朝から夕方まで毎日プレゼンテーションの準備でした。パワーポイントの内容を決め、画像の編集、動画の切りぬきを分担し、パソコンの映像編集ソフトウェアのAfter Effectsで動画、画像編集ソフトウェアのPhotoshopで画像の編集を行いました。背景を切り抜く動画はゼミ室で撮影しましたが、画像は大学の先にあるグリーンウォーク多摩店にある ニトリ株式会社様 の協力で撮影させていただきました(上の参考写真もニトリで撮影させていただいたものです)。この場で感謝します。

また、動画は唐木田に住んでいる友人の家のキッチンを借りて大学の機材で撮影しました。

デモビデオ+プレゼン練習

松田先生に見ていただいて何度もパワーポイントの内容や発表原稿、話し方を直しました。同時に、プレゼンテーションを上手に話すコツ、聞きやすくするコツも教えてもらいました。そして福井県鯖江市に向けて出発!発表当日は、鯖江駅の近くのカラオケで先生と一緒に発表時間を計りながら練習しました。

4. 鯖江で発表!

2次審査会は、次のようなスケジュールで進みました。

13:00 ごあいさつ(鯖江市市長)
13:10 企画部門プレゼンテーション
14:20 アプリ部門プレゼンテーション
14:50~15:30 審査
15:30 表彰式、記念撮影
16:00~17:00 交流会

  私たちの発表は5番目で、鯖江市の牧野百男市長をはじめとする9人の審査員の前で発表しました。緊張もしましたが自分たちが思っていた以上に楽しんでプレゼンを行うことが出来ました。発表後、セイコーエプソンの事業部長さんなど5人の方からさまざまな質問も頂き真剣に私たちの発表を聞いてもらえたのだと実感し、嬉しく思いました。

発表風景

たくさんの練習と、松田先生や中野先生、堤先生、松田ゼミの先輩方、友人、多くの人の協力があって、プレゼンテーションも成功し、第3位セイコーエプソン賞をいただくことができました。

表彰式

5. おわりに

今回行った私たちの活動時間は、春休みの活動を含め一か月半程の短いものでしたが、今までの2年間過ごしてきた時間以上のものを今回得ることが出来ました。大きな場所でのプレゼンテーションだけでなく、表彰式のあとの交流会も私たちにとっては、いい経験になりました。様々な企業の方に今後の就職活動と今回考えたアプリの作成についてアドバイスを頂きました。セイコーエプソン株式会社、アーク・コミュニケーションズ、NHK等の企業の方から名刺も頂きました。

次のコンテスト、卒業研究に向けて、まだまだ頑張ります!

アルバム(松田先生撮影)

アルバム