環境情報学専攻
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建築・インテリアの三次元空間を
二次元表現で伝える基礎を学ぶ
松本 暢子
Nobuko MATSUMOTO
白澤 多一
Taichi SHIRASAWA
設計製図は「絵心がある人が学ぶ科目だろう」と思う人がいるかもしれません。でも、住宅をつくるための図面ですから、製図の手順(書き方)ときまりを学んで練習すれば、誰にでも書けるようになります。興味がある人は臆せず門を叩いてみてください。
太さの違う線や各記号の意味を理解すれば、建築図面を読めるようになります。
基本的な作図や図面記号が正確に描けるように練習します。
「設計製図の基礎」は、その名の通り、建築やインテリアを設計するための基本的な作図や図面記号(設計図面上に書き込まれている、ドアや窓の位置、寸法などの情報/図面記号があることで、建具の形状やドア・窓の開閉の方向がわかる)を描けるようにする授業。二級建築士の受験資格を得るために必要となる基本的なスキルを身につけていきます。
最初は鉛筆を使って「線を引く」ことからはじめます。実際に仕事をはじめると、実務ではCADソフトを使い、パソコンで作図することになるのですが、一級・二級建築士の試験(学科試験と実技試験があります)が今でも手書きで行われているので、本校では「手書き」にこだわっています。
線の太さ・細さ・種類(実線・破線・一点鎖線など)をはじめ、寸法記号、窓やドア(開口部)の記号(引き違い窓・片引き窓・片開き窓など)、製図文字(誰が見ても読める文字)などの手書き練習をしっかり行います。
例えば、製図における線は
太さ・細さ・種類で使い分けます。
細い実線
太い実線
一点鎖線
二点鎖線
平面図、断面図、立面図など設計図の違いを理解し、
その内容を正確に読み、描くことができるように
建築やインテリアの設計製図にはさまざまな種類があります。平面図、断面図、立面図などですが、授業を通してこれらの関係を理解し、読み描きできるようになるのが目標です。授業では「自分の部屋をつくってみましょう」という課題で平面図や室内の展開図、内装、家具を選び、その完成予想図(パース)を描くこともあります。
学生の中には「絵心がないので心配」「立体を描くのは無理」という人もいるのですが、設計製図の世界は、芸術家のような絵を描くことが目的ではなく、実際につくる職人さんや技術者に間違えなく伝えるために図面を書きます。正確に書くことが大切なので、むしろ重要になるのは根気があるかどうかです。線の練習からはじめ、丁寧に集中して続けて作業ができるかがポイントです。
みなさんの先輩たちの中にも「自分は器用ではなく、手作業が遅い」と心配する学生がいましたが、慣れてくるとだんだんスピードアップして早く書けるようになりました。最初は、初めて手にする道具や使い方に慣れず苦戦しますが、練習を重ねるにつれ慣れていくはずです。
建築に関わる仕事、インテリア関係の仕事などの専門を目指します。
それ以外にも、図面の読み描きを学んでいくことで、不動産やまちづくり、自分の家を選ぶ時にも役立ちます。さらに、立体的に見ることや考えることで、多角的な見方に気づくでしょう。
本授業「設計製図の基礎」では、モノ(立体)の大きさ、かたち、素材などを正確に多くの人に伝えるための方法について学んでいきます。スケジュールで言うと、順番に平面図、断面図、立面図を描き、最後に配置図というものを描きます。そして授業の集大成として、図面を元にケント紙やスチレンボードを使って立体の模型をつくります。製図の課題に取り組み、模型を完成させると、目に見える形として作品ができ上がるので、やり甲斐や達成感を得られると思います。
また「設計製図の基礎」で身につけた学びを元に、2年後期の住居デザイン演習Ⅰ、3年前期の住居デザイン演習Ⅱでは、自分で設計した作品(図面、模型や研究成果)を発表します。
将来的に建築家やインテリアコーディネーターを目指す人はもちろん、設計製図を仕事にしない人も住宅の間取りを考えるときに役立ちますし、図面の描き方や読み方を学ぶことで、さまざまなモノを多角的に観察することができるようになると思います。
松本 暢子(まつもと のぶこ)
日本女子大学家政学部住居学科卒業 同大学院家政学研究科修了。東京都立大学大学院工学研究科修了(工学博士)。東京都生まれ。文章を書くのが好きだったので高校時代は同人誌の活動に熱中していた。現在、いわき市豊間で被災者の声を聴く活動と住宅再建の復興支援を行っているほか、東京近郊の市区において居住支援や空き家問題に取り組んでいる。趣味は散歩、まち歩き、サッカー観戦。
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