環境情報学専攻
PICK UP !授業
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身近なモノでの実験を通し
自然科学への興味を高める
四ノ宮 美保
Miho SHINOMIYA
「自然科学」と聞くと苦手意識が働くかもしれませんが、実はみなさんの暮らしに関連するものも多いです。本授業では、基礎的な知識をわかりやすく説明しつつ、簡単な実験を取り入れ、学生たちが直接ふれて実感することで、自然科学への興味や関心を高めています。
自身の世界や視野を広げ
人生をより豊かなものに
一口に「自然科学」と言っても、多くの人には馴染みのない学問だと思います。自然科学とは「自然がつくり出したモノについて観測や実験などを通して研究する学問」です。この学問で、大事になるのが「観察」です。観察を通して、何をどう読み取っていくのか。そしてそこに通用する法則をどう見出すのか。これが、この学問の最大の目的になります。
もし、みなさんが自然科学を学ぶなら、まずは、身の回りの自然や科学現象に興味を持つことからはじめてほしいです。自然の事物・現象について理解を深めていくと、日常生活や暮らし(料理や掃除など)をはじめ、社会へ出てからさまざまなシーンで役に立つだけでなく、自身の世界や視野を広げ、人生をより豊かなものにする助けになるはずですから。
化粧やネイル、料理や食品など
身近な素材を題材にした授業
本授業の中で学生たちが最も関心を持って取り組んでくれるのが、実験を伴う授業です。例えば「機能性高分子」という授業で取り扱うポリマーには光を当てると固まる性質のものがあり、ネイルに使われるので学生たちにも馴染みがあります。ネイル好きな学生は多いので、それをきっかけに科学に興味を持つ入り口にしてもらえればと思っています。
その他の授業だと「化粧の科学」や「料理と食品の科学」なども関心が高いです。化粧品や食料品に入っている原材料をはじめ、由来、特性などにも興味を持つようになり、スーパーやコンビニで買い物をする際にラベルを確認するようになったと言います。
「物質を検出する」という授業ではルミノール反応に関する実験を行います。刑事ドラマでお馴染みの「血液に反応して化学発光する」実験ですが、これも学生に人気が高いです。
例えば、「化粧の科学」では
紫外線やUVケアの化粧にについて
考察を深めていきます。
紫外線のメカニズム シミ・シワ・たるみの原因となる紫外線。その特性と、防ぐためにどんな方法があるのかを見ていきます。
仕組みを知る 皮膚の構造、紫外線防御の仕組みや、保湿・美肌に効果のある成分を知るところから。
成分表示に意識的に 実際に、どんな成分が皮膚に作用するかを知ることで、成分表示を見る習慣が生まれてきます。
環境配慮の視点も 環境負荷の高い素材を使っていないか、再利用可能な容器かなどの視点も生まれていきます。
簡単な実験などを取り入れて
苦手な人にも興味が湧く内容に
本授業は、科学技術も含めた自然科学全般を題材とし、各回でさまざまな話題を取り上げるほか、中学や高校で学習した基礎的な理科の知識も解説していきます。これまで理系科目は苦手だと思っていた人にもわかりやすく説明し、簡単な実験を取り入れ、学生たちが直接ふれて実感することで、自然科学に対する興味や関心を高めることを目指しています。
授業は初心者でも理解・習得しやすいレベルに設定していて、最初は身近なテーマから扱い、徐々に難しいレベルに移行していきます。身近な現象から最先端技術に至るさまざまな科学に関わる学識を得るとともに、科学の基礎が理解できるようになります。好奇心を持ち取り組むことが、科学と科学技術の発展につながることも知ってもらいたいです。
四ノ宮 美保(しのみや みほ)
東京大学大学院理学系研究科(博士(理学))。出身は高知県。豊かな自然の中、さまざまな生き物にふれながら育ったので、子どもの頃から科学に親しみがあった。子育てのためいったん研究から離れたが、復帰。趣味は読書。その他にテレビドラマで化学分析が出てくる『科捜研の女』『アンナチュラル』などを視聴すること。
自然科学
ネイル
化粧
再生医療
品種改良
メイラード反応
料理と化学
毒と薬
化粧と化学