社会生活情報学専攻

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01

ブランドとは何かを学び
自己表現力を身につける

ブランド論

桑島 由芙

Yufu KUWASHIMA

  • 2・3年生選択科目
  • 木曜3限

ブランドとは、製品やサービス、提供する企業を区別するための名称や記号、デザイン、メッセージなどのことで、消費者には価値ある製品やサービスを他の製品やサービスと差別化させるものです。本授業では「ブランドとは何か」を学びながら、モノを見る力や自己表現力を身につけます。

ブランド論1

講義室でのグループごとのプレゼンテーション

どんなことを学ぶ?

ブランドとは一体何なのか
どうすればブランドになるのか?

 本授業でまず考えるのは「ブランドとは何か?」ということです。一般的に「ブランド」と言えば、エルメスやルイ・ヴィトンなどラグジュアリーブランドが頭に浮かぶと思います。

 しかし、ブランドは高級品の銘柄を指すだけではありません。みなさんの身近にあるマクドナルドやモスバーガー、ニトリなどもブランドです。では、一体どんな状態になればブランドと言えるのでしょう。また、どうすればブランドをつくることができるのでしょう。

 本授業では、ブランドの理論を講義するのと並行して、例えばハンバーガー店(マクドナルドとモスバーガー)や、家具メーカー・小売業(ニトリとIKEA)など身近なブランドを例にとって、なぜそれらのブランドが成功したのか、なぜ影響力を持つようになったかを考察します。後半の授業ではグループに分かれて、ブランドごとに調べ、同じカテゴリーのブランドごとにプレゼンテーションを行います。理論を学びながら、その理論が実際にはどのように実行されているのかを実例で理解できるようにします。

ブランド論2

グループワークでの様々なブランドの調査を通して、理論を実例で学ぶ

ブランドにはどんな特徴が?

短くシンプルで覚えやすく
発音しやすくオリジナリティがある

 ブランド論を学ぶと、身の回りに多くのブランドがあふれていることに気づきます。では、それぞれのブランドにはどんな特徴があるのでしょう。ブランドはやはり認知されないとブランドとして機能しないので、どうやって認知率を上げるかが戦略の一つになります。

 たとえばブランドの名前を付けるときは、ありふれた名前では埋もれてしまうし、かといって特異過ぎると認知されにくくなります。短くシンプルで覚えやすく、発音しやすく、オリジナリティがあるなど、ポイントを抑える必要があります。また、さまざまな商品には特定の色を使っているものがありますが、これらのブランドカラーにも意味があります。

 授業ではそれらの意味や機能についても解説していきます。授業での学びを通して、普段は気にも留めないような事柄に目を向けてみると、これまでとはモノの見方が変わり、新たな気づきを得られると思います。ここにブランド論を学ぶ目的や理由があります。

なんのために学ぶの?

ブランド化する思考法やスキルを
身につけ課題解決の助けとする

 本授業では「ブランド化する」がキーワードになりますが、これはどういう意味でしょう。ミネラルウォーターを例に出すと、他の水と違うことを消費者に認知してもらうことです。例えばエヴィアンは他の水と「違う」と認知されているので他の水よりも高価でも購入してもらえるのです。

 みなさんは「こんなことを学んで何の役に立つのだろう?」という疑問が沸きませんか。例えばこの学びを、みなさんの生活や将来遭遇する課題、仕事をしていく上で必要となるスキルなどに転用してみます。そうすると、就職活動やキャリアを築いていく上で、自分は他の人たちと「ここが違う」、つまり自分自身をブランド化して、自分の長所や売り所を周囲に訴えかけるときに、この思考法や表現方法、手順や構成力が役に立つはずです。

 本授業は、ただ単にブランドのことを知るだけではありません。どうすればブランド力を身につけることができるのか、つまり自分をブランド化できるのか、その手立てとして活用してほしいのです。さらに言えば、授業中に行うグループワークとプレゼンテーションが、コミュニケーション力やプレゼンテーション能力の向上に役立ってくれるとうれしいです。

メッセージ

 企業や店舗のイメージ、商品や生産物、サービスを「ブランド化する」ためには、ライバルたちとは「違う」と思ってもらうことが大事なポイントになります。私たちの周りにはさまざまなブランドがありますが「それぞれどのようなブランド戦略を企業が仕掛けているのか」に気づいてもらえるきっかけにしてほしいです。

 また、みなさんがこれから社会に出て生きていくにあたって、他の人と「違う」と思ってもらえるよう、その違う点が自身のセールスポイントとなるよう、いわば自分自信をブランド化できるように役立ててくれればと願っています。

プロフィール

桑島 由芙(くわしま ゆふ)

東京大学大学院経済学研究科博士課程(博士・経営学)。神奈川県横浜市出身。子どもの頃はインドア派で本ばかり読んでいた。学生時代に企業のマーケティングや経営戦略に興味を持ち、ケーススタディ等を行うビジネスサークルに所属。趣味はサッカー観戦。頻繁にスタジアムにも足を運ぶほどのサッカーファン。

KEYWORD

ブランド

ブランド論

ブランディング戦略

マーケティング